研究概要 |
研究目的に記載した1)〜5)項目について明らかにするために,今年度も下記の内容について実験を行った。すなわち,露髄面に対するレーザーの照射効果,各種機能性モノマーの歯髄刺激性,ならびに直接歯髄覆罩効果および接着性レジンのハイブリダイジング効果について検討を行った。 カニクイザルの前臼歯に露髄窩洞を形成し,下記の条件で直接歯髄覆罩を行った。 1)各種機能性モノマー,もしくはモノマー(MAC-10,4-META,4-AET,HEMA,MDP,Phenyl-P)を主成分とする接着性レジンで直接歯髄覆罩を行った。この際,露髄の交互洗浄剤の濃度を変化させて洗浄することの有効性の有無,および窩洞処理剤としてセルフエッチングプライマー方式のものを新規に追加し検討を行った。 2)自家調製の直接歯髄覆罩用高分子製剤,水酸化カルシウム,水酸化カルシウム製剤(光硬化型ダイカル^<【○!R】>),混合抗菌剤添加α-トリカルシウムフォスフェートセメントで直接歯髄覆罩後,接着性レジンでハイブリダイジングを行った。 3)対照は,水酸化カルシウムで直接歯髄覆罩,酸化亜鉛ユージノールセメントで間接歯髄覆罩し,グラスアイオノマーセントでベースを行った。 4)上記実験群の内の代表例の露髄面にNd:YAGレーザー/パルスマスター^<【○!R】>600LE,半導体レーザー/オサダライトサージ^<【○!R】>3000およびCO_2レーザー/オペレーザー^<【○!R】>03Sを照射し,照射群と非照射群に分けた。 観察期間は短期群(3〜5日),中期群(30日±5日)と長期群(90日±10日)とした。 但,歯髄アポトーシス変化については,EDTA脱灰切片の方が染色性に優れることが判明しPlank-Rychloの迅速脱灰では必ずしもよくないことが判明したので,今回は観察を中止した。 上記実験群の内の一部はすでに研究発表を終了し論文として印刷し公表ずみである(研究発表覧に掲載)。しかし大部分は実験を続行中であり,結果が得られしだい公表する予定でいる。
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