試料として牛歯プレセメンタムを用いた。イオン交換クロマトグラフィーによる一次精製、ゲル濾過カラムによるDEAE1.0M溶出フラクションの二次精製後、逆用クロマトグラフィーを行った。即ち、DEAE-HPLC1.0M画分を濃縮しTSKG2000SWxLカラムを用いた。ゲル濾過HPLCを行った。各フラクションの細胞走化試験を行い、走化活性極大ピークが確認されたフラクションを濃縮緩衝液buffer置換しC8逆用カラムを用いて、歯肉繊維芽細胞走化性因子を更に精製し、そのN末端アミノ酸配列解析を行い、目的蛋白質のN末端アミノ酸配列を決定した。 逆用クロマトより得た8kDaのバンドを切り出し、シークエンス分析の結果から、純度が高く単一のタンパクであることが推測された。この配列(8kDa)を全既存タンパクのアミノ酸配列を記録したデータベース(SWISS PLOTT)から、アミノ酸配列相同性検索エンジン(FASTA amino acid sequence comparison)によって検索した。、その結果、本研究のおける歯肉由来未分化間葉系繊維芽細胞走化因子は、その相同性、分子量から、牛歯プレセメンタムであり、既知のタンパクでない新規のものであると考えられた。
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