研究課題/領域番号 |
10470410
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
西村 和晃 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40098017)
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研究分担者 |
柴 肇一 北海道大学, 工学部, 助教授 (60241303)
高田 耕平 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20103103)
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キーワード | 歯周組織再生 / セメント質関連蛋白 / 骨細胞 / セメント芽細胞 |
研究概要 |
歯周組織再生には、創傷部に集積する未分化間葉細胞が、歯槽骨細胞,歯根膜細胞、セメント質細胞に分化する必要がある。これには、多くの蛋白、特にセメント質由来の蛋白が、適切な時期に、適切な量、これら未分化細胞を刺激しなければならない。現在、骨細胞がセメント質関連蛋白の修飾を受けることによって、セメント芽細胞化するという考えがある。本研究の目的は骨細胞とセメント質粒子を共培養することによって得られる培養液を分離精製し、その性状を検索することである。サル歯槽骨由来細胞だけあるいはサル歯槽骨由来細胞とセメント質粒子とを共培養後、(1)培養液中の分泌蛋白に対するサル歯肉由来繊維芽細胞、サル歯根膜由来細胞、サル歯槽骨由来細胞の増殖試験、(2)各培養液をの蛋白精製を行った。細胞増殖試験では骨細胞とセメント質粒子共培養液は、サル歯肉由来繊維芽細胞、サル歯根膜由来細胞の増殖を促進したが、サル歯槽骨由来細胞の増殖を抑制した。蛋白分析は、陰イオン交換クロマトグラフィーを行ない、吸着部分に対しゲルろ過を施すと、各培養液(骨細胞培養液、骨細胞とセメント質粒子共培養液)の蛋白分布に差異がみられた。更に、非吸着部分を陽イオン交換したところ、各培養液間には蛋白の分布に大きな差異が認められた。本結果はセメント質成分が骨細胞のセメント芽細胞化に何らかの影響を与えることを示唆した。
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