研究課題/領域番号 |
10470412
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
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研究分担者 |
服部 佳功 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40238035)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 顎関節症 / 大脳皮質誘発電位 / 上下肢、腰部症状 / 電気刺激 / 磁気刺激 |
研究概要 |
本研究の目的は、大脳皮質における体性感覚誘発電位(Somatosensory Evoked Potential,SEP)による脳機能の評価を用いた、顎関節症と上下肢、腰部症状の関係の解明にある。そこで、健常者と顎顔面領域に臨床症状を有する咬合因子性顎関節症患者における、大脳皮質SEP波形を記録し、咬合異常の体性感覚系に対するmodulationの影響を検索した。 顎口腔系に異常を認めない健常者群2名と、顎顔面領域に臨床症状を有する咬合因子性顎関節症患者2名(TMD群)について、下顎神経および正中神経の磁気または電気刺激による大脳皮質SEPを記録した。 下顎神経および正中神経の磁気刺激では、刺激付与後の大脳皮質SEPに、明らかに刺激のアーティファクトの混入を認め、大脳皮質SEPの短〜中潜時成分の検出が不可能であった。下顎神経電気刺激による大脳皮質SEPのP1の潜時は、健常者群で平均19.7msec、TMD群では19.2msecであり、有意差は認められなかった(t-test、P>0.05)。また、正中神経電気刺激による大脳皮質SEPのN_<20>の潜時は、健常者群で平均19.1msec、TMD群では平均20.4msecであり、有意差は認められなかった(t-test、P>0.05)。 以上の知見から、(1)磁気刺激を大脳皮質SEPに応用するためには、さらなる記録方法の改良が必要であること、(2)大脳皮質SEPのP1およびN_<20>の潜時ともに健常者群、TMD群では差は認められなかったことから、慢性痛を有する顎関節症患者における咬合異常は、体性感覚系の異常よりもむしろ、大脳皮質の高次機能や、錐体路を含めた運動系に変調をもたらしている可能性があることが示唆された。
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