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1999 年度 実績報告書

生物学的に修復象牙質を形成促進する分化・増殖因子の分子クローニングとその応用

研究課題

研究課題/領域番号 10470417
研究機関岡山大学

研究代表者

李 起学 (完山 学)  岡山大学, 歯学部, 助手 (90294420)

研究分担者 鈴木 康司  岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30304322)
窪木 拓男  岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00225195)
滝川 正春  岡山大学, 歯学部, 教授 (20112063)
キーワード象牙芽細胞 / 歯質保全療法 / アデノウイルスベクター / 遺伝子導入 / LacZ遺伝子
研究概要

象牙質の形成に関わる分化・成長因子が歯随刺激時に産生され、歯随細胞、特に象牙芽細胞が活性化されることにより、いわゆる修復象牙質が形成されると考えられている。本研究ではこの自己組織修復能力を活用した歯質保全療法の開発を目指して、修復象牙質の形成の際に特異的に発現している遺伝子の同定ならびに当該遺伝子の導入が可能であるかを検討した。
昨年度の本研究では、歯に窩洞を形成したときの歯随細胞に発現する特徴的遺伝子の検出を行った。本年度は検出したバンドのcDNA断片のクローニングとシークエンスコードを解析するとともに、以下に示すラット歯髄細胞への遺伝子導入法の基礎的検討を行った。
1.ラット臼歯露髄創の作製ならびにアデノウイルスベクターを用いたin vivo LacZ遺伝子導入
2.アデノウイルスベクターの他臓器への感染の有無
1では、ラット臼歯に歯髄に達する窩洞を形成し、LacZ遺伝子を発現するアデノウイルスベクターを注入、窩洞を接着性レジンて密閉した。術後、経時的にラットを屠殺し、歯髄細胞におけるLacZ遺伝子発現をX-gal染色にて観察したところ露髄面に接する象牙芽細胞の一部に遺伝子導入が確認された。しかし、遺伝子導入率がきわめて低かった。この結果は露髄面にウイルス液を注入してもすぐに拡散してしまい一定時間ウイルスを感染させることができなかったためであると考えられた。今後は経時的にウイルスが徐放されるシステムを確立する必要があると考えられた。また、2では、ラット屠殺時、固定直前に気管、肝臓、膵臓、腎臓、骨格筋を摘出し、total RNAを抽出し、LacZ遺伝子に対するprimerを用いてRT-PCRを行うことで他臓器に影響があるか確認したところ、多臓器への感染は認められなかった。
本研究結果より導入効率は低いが多臓器に影響を及ぼすことなく象牙芽細胞への遺伝子導入が可能であることがわかった。この結果は今後の歯質保全療法開発の一助となると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takuo Kuboki: "Direct adenovirus-mediated gene delivery to the temporomandibular joint in guinea-pigs"Archives of Oral Biology. 44. 701-709 (1999)

  • [文献書誌] 完山 学: "アデノウイルスベクターを用いた培養骨芽細胞への遺伝子導入の試み"第29回日本口腔インプラント学会総会・学術大会抄録集. 78 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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