研究分担者 |
大春 慎之助 広島大学, 理学部, 教授 (40063721)
和田本 昌良 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70231040)
赤川 安正 広島大学, 歯学部, 教授 (00127599)
松浦 義則 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (80285436)
田村 秋雄 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (80264943)
|
研究概要 |
本研究では,インプラント治療の成否を左右すると考えられる「インプラント周囲骨における応力とそれにより惹起される骨のリモデリング」に注目し,まったく新しい三次元数学モデルを用いた骨リモデリングの超シミュレーションを完成し,これにより応力が骨の動態に及ぼす影響を明らかにしようとした。 2頭のニホンザル下顎臼歯部に純チタンプラズマスプレーシリンダーインプラント(長さ8mm,直径4mm)を合計6本埋入し,3ヵ月の安静期間を経た無負荷の4本,その後3ヵ月機能圧を負荷した2本のインプラントおよび周囲骨を得た。これらを基に我々が開発した手法により三次元構築像を作成し,それぞれのインプラント周囲について分析を行った。ついで,Ca濃度分布,骨芽細胞分布,破骨細胞分布等をパラメータとする三次元数学モデルを作成し,骨形成および骨吸収をコンピュータ上で繰り返し演算させることによって骨リモデリングの超シミュレーションを行い,以下の結果を得た。 1.初期骨治癒3ヶ月後および荷重負荷3ヶ月後における純チタンプラズマスプレーシリンダーインプラントのオッセオインテグレーションの状況が三次元的に把握でき,これらは埋入部位の骨の状態,埋入方向,機能圧などの影響を受けている可能性が示唆された。 2.Ca濃度,骨芽細胞密度,破骨細胞密度といった因子に対して,これまでに得られてきた生物学的知見を統合して用いたことにより,骨の中の単純な骨髄腔から海綿骨の骨梁構造の形成を表現することができた。
|