研究課題/領域番号 |
10470421
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
宮崎 隆 昭和大学, 歯学部, 教授 (40175617)
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研究分担者 |
李 元植 昭和大学, 歯学部, 助手 (40276605)
堀田 康弘 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245804)
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キーワード | レーザ / 溶接 / NC(数値制御) / コンピュータ / 補綴物 / 歯科技工 |
研究概要 |
従来の補綴物製作はロストワックス法中心の材質を置きかえる形状転写型の補綴物製作法中心であった。しかしながら近年歯科用金属、特にチタンの接合おいてレーザ溶接の有用性が注目され、この技術を有効に運用することにより複数のパーツを用いた組み立て型の補綴物製作法も可能性が生まれ、歯科技工における製造の概念に大きな変化を与えるものと思われる。しかしレーザ接合には多くの問題があり、特に術者の熟練度が接合の良否に大きな影響を与える。本研究では溶接作業のNC化によって術者の技能力に依存する部分を極力排除し、良好な補綴物製作のための接合を安定に行うための基礎実験を行った。溶接の質を改善する方法としてNC化による自動照射の他にPWMによる1shotパルスレーザの波形制御を行ない、冷却速度を抑えることで径3mmのチタン丸棒接合における収縮量が無制御の場合の約40μmから10μmに減少し、また内部の気孔は消失し残留歪みも小さくなることが明らかになった。しかし接合による変形が消失したわけではなく、三次元的な変形が補綴物全体の精度を悪化させる可能性が危惧される。特に複数のスポット接合でビードを構成するパルスレーザ溶接は、照射の順番によって変形の出現性が大きく変化する。また照射面角度や接合前のギャップ幅など僅かな照射状態の差にも大きな影響を受ける。変形を抑えるためには仮着のための弱エネルギー溶接点を多く設定することが有効であったが、試験片に多数回の熱履歴を与えるために接合強度の低下が認められ、変形の抑制と接合強度を両立した照射プログラムの開発が今後の課題となった。
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