| 研究課題/領域番号 |
10470426
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 研究分野 |
外科系歯学
|
|---|
| 研究機関 | 弘前大学 |
|---|
研究代表者 |
木村 博人 弘前大学, 医学部, 教授 (90142851)
|
|---|
| 研究分担者 |
福井 朗 弘前大学, 医学部, 助手 (70241479)
小林 恒 弘前大学, 医学部・付属病院, 講師 (50234860)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
| キーワード | 顎骨嚢胞 / 骨吸収 / 炎症性サイトカイン / 嚢胞壁線維芽細胞 / 免疫組織染色 / メッセンジャーRNA / PCR / 一酸化窒素ラジカル |
|---|
| 研究概要 |
顎骨嚢包の増大には嚢胞腔内圧、各種骨吸収因子などが関与すると報告されてきた。本研究では、各種生理活性物質が嚢胞壁周囲の骨芽細胞あるいは破骨細胞に作用するのではないかと推察し、嚢胞壁組織における炎症性サイトカインや一酸化窒素ラジカル(NO)などの産生を検討し、以下の結論を得た。
1.顎骨嚢胞壁組織中にはインターロイキン6(IL-6)と腫瘍壊死因子α(TNF-α)産生され、主たる産生細胞は線維芽細胞であることが免疫組織学的に確認された。
2.RT-PCR法により、歯根嚢胞壁由来の線維芽細胞ならびに培養上清から、炎症性サイトカイン(IL-6、IL-8、TNF-αIFN-γ、TGF-β・1) ならびにサイトカインとエイコサノイドのレセプター(IL-6Rα、gp130、TNFRI、CXCR2)のmRNAの発現が検出された。
3.顎骨嚢胞内溶夜中には炎症性サイトカインとしてIL-1β、TGF-β1、M-CSFが検出され、TNF-αは検出されなかった。NO代謝産物の測定では、歯恨嚢胞と術後性上顎嚢胞にNO代謝産物(NO_2/NO_3)の生成が認められた。
以上の結果から、顎骨嚢胞周囲骨の吸収機序には、嚢胞壁組織において産生される骨吸収関連生理活性物質(炎症性サイトカイン、エイコサノイド、一酸化窒素)が関与することが、蛋白遺伝子レべルで確認された。本研究により比較的緩徐に増大する顎骨嚢胞においては種々の生理活性物質の産生が重要な役割を果たすこと、これらの生理活性物質はメカニカルストレスを受けて嚢胞壁組織中の線維芽細胞が産生することなどが明らかにされた。
|
