研究課題/領域番号 |
10470428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
酒井 英紀 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60292976)
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研究分担者 |
倉林 亨 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60178093)
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10272600)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | p53 / 口腔癌細胞株 / 4-1BBL / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
1.口腔癌への遺伝子導入方法を構築するために、接着分子であり抗腫瘍免疫反応を増大しうるCD80遺伝子を用て、ヒトCD80アデノウイルスベクターを作製し、腫瘍細胞培養系へのウイルス液の添加により、48時間後には約80%以上の細胞がCD80を高発現している分画を得ることができた。以上より、低増殖能の初代培養口腔癌細胞においても高効率の遺伝子導入に成功しその有効性が示された。CD80分子をアデノウイルスベクターを用いて腫瘍細胞に遺伝子導入し、サイトカインと効果的に組み合わせ、口腔癌に対して腫瘍特異的細胞障害性T細胞を誘導することに成功した。次に、アポトーシスに重要なFas-FasLと同じTNFファミリーに属する4-1BB-4-1BBligand(L)に着目した。同系マウスで拒絶されないマウス扁平上皮癌に4-1BBL遺伝子を導入し、抗腫瘍効果を検討した。同系マウスに腫瘍細胞を接種した結果全例生着を認めた。しかし、4-1BBL遺伝子導入腫瘍細胞の接種では一過性の増殖を認めたが、1-2週後にはすべてマウスにおいて腫瘍は拒絶された。以上より4-1BBL遺伝子導入により、腫瘍ワクチンや遺伝子治療などヒト癌治療における有効性が示唆された。今後は口腔癌そのものの細胞死の性質について、アポトーシスの有無の検討を進め、p53遺伝子異常を持つ口腔扁平上皮癌細胞株の細胞死のメカニズムの解明をすすめていく。 2.口腔扁平上皮癌37例を、免疫組織化学的に解析したところ、29例でp53蛋白発現が陽性であった。また、口腔白板症43例について、p53蛋白の過剰発現を検討した。その結果、白板症の上皮異形成の程度および臨床視診型とp53蛋白発現の間に有意差を認めた。また、白板症と診断され、経過観察中に悪性化した11症例のうち、9症例が上皮異形成と診断された時点でp53蛋白発現が陽性であった。
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