研究課題/領域番号 |
10470429
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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研究分担者 |
福田 敏博 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50283213)
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20185325)
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キーワード | 人工骨 / アパタイト / 人工骨補填材 / 添加補填 / 架橋補填 / 充填 / 骨癒合 / 複合体 |
研究概要 |
本施設で臨床適応した人工骨補填症例、98症例について検討した。 骨の形成性は適用対象である症例の年令、補填材の大きさ、適用部位などの適用条件によって異なると考えられるが、本年度は人工補填材と補填部位の骨体との界面における状態をX線画像上で検索した。その結果、補填部の骨と人工骨との接触面が密に接している部分では全例に両者間の癒合が確認し得た。しかしながら、接触面に3mm以上の隙がある部分では骨形成による骨癒合が遅延する傾向がみられた。人工骨補填部の骨欠損状態に関連した周囲の骨形成範囲は条件の良好な症例、すなわち陥凹した骨欠損部への充填例では、補填した人工骨を被覆しあるいは埋め込み、複合体を形成する程度の骨形成がみられるが、それを完全に被覆する高さまでには形成されない状況であった。一方、骨面に添加補填した症例の密に骨体と接した人工骨では骨面との接触面では骨癒合がみられるが人工骨を全体を埋め込む骨形成は側面で数mmの高さが限度であり、骨形成によって人工骨が骨と癒合する症例がほとんどであった。この様な症例では人工骨を取り込み、埋めつくす量の2次的骨形成は行なわれない状態が大多数を占めた。とくに、高齢者に於ては人工骨は接触面のみが骨癒合し、画像上とくに骨形成が行われない症例あるいは部分的な骨癒合で、接触面に隙がある部位には骨癒合はみられない症例が大部分であった。人工骨吸収については経時的にほとんど行なわれない状況であった。以上のことから、臨床適応に際し骨面と密に接触させて補填することの重要性が指摘された。
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