研究課題/領域番号 |
10470434
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
浜川 裕之 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20127905)
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研究分担者 |
栢原 浩彰 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (50263942)
福住 雅州 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (60294815)
谷岡 博昭 愛媛大学, 医学部, 教授 (10028748)
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キーワード | 口腔癌 / 微小転移 / 頸部リンパ節 / 遺伝子診断 / K13 / K20 / テロメラーゼ |
研究概要 |
平成11年度の研究実績として、まず、口腔癌の微小転移の実態を形態学的に検証した。 口腔癌患者73名から採取した554リンパ節にHE染色、ケラチン免疫染色を施し、3mm以下の微小転移巣の検出を行った。その結果、16症例、23リンパ節に微小転移を認めた。9例でpNupgradingが見られた。また、直径5mm以下の小リンパ節に6個の転移巣を検出した。微小転移の平均短径は1.36+-0.85mmであり、リンパ節微小転移の病理診断には1mm間隔での切片作製が必要であることを明らかにした(Virchows Arch,in press)。 次にK20の遺伝子マーカーとしての可能性を検討した。その結果、K20は原発巣においても発現を欠くものが見られ、微小転移リンパ節においても陰性を示したことから、指標としての有用性は乏しかった。一方、K13はケラチンファミリーの中では通常のPCR法を用いた場合、単独では厳密な指標にはなり得ないが、有用性が高いマーカーと考えられた。 また、ほとんどの口腔癌に発現するテロメラーゼ活性の測定が口腔癌リンパ節微小転移のマーカーになりうるか検討した。正常リンパ節でも弱い活性が見られたものの、転移リンパ節では高い活性を示したことから、適切なカットオフ値の設定により利用可能であることが示唆された(Arch Pathol Lab Med,in press)。
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