研究課題/領域番号 |
10470436
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長田 哲次 九州大学, 歯学部, 助手 (60264058)
|
研究分担者 |
有田 清三郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (20098601)
大関 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80117077)
|
キーワード | 口腔癌 / リンパ節転移 / ファジイ推論 / 転移予測 |
研究概要 |
舌癌の頚部リンパ節転移の有無を、初診時臨床所見と生検標本の病理組織所見より判定する方法としてファジイ推論を応用した。 retrospective studyの研究試料として、1971年から1990年までの口腔癌新鮮例で組織学的に頸部リンパ節の有無が判明しているか、あるいは現在もfollow up中で頸部リンパ節に転移を認めていない137例の生検標本を対象とした。まず予備解析として転移の発現に関与すると考えられる臨床的因子6項目・病理組織学的因子8項目をカイニ乗検定の結果より7項目を抽出し、多変量解析を行った。その結果全症例の正診率は75.8%、N0症例では70.9%であった。この結果よりカテゴリーの各項目を再検討を行いファジイスケールとして応用可能と考えられた腫瘍径、浸潤様式、分裂像をファジィスケールを用いて計量化を行い、それぞれメンバーシップ関数によりファジイ化した。If-Then ruleはそれぞれの入力項目の組み合わせでの転移率に応じた出力メンバーシップ関数を対応させ、Min-Max重心法を用い非ファジイ化を行った。その結果全症例の正診率は75.2%、N0症例では79.1%であった。さらにこの判別法の信頼性を調べるために1991年から1995年までの新たな46例についてexternal checkを行ったところ、正診率は78.2%であった。(以上の結果についてはバイオメディカル・ファジイ・システム学会九州地方会(1999.2.5産業医科大学)で報告) しかしながら、臨床上、この正診率は満足できるものではなく、この診断システムの精度を向上させるために、入力項目の整理、メンバーシップ関数の調整を行った。項目として治療法の違い、If-Then ruleを2つ設けるなどを行いretrospective studyの正診率は82.6%まで向上した。
|