研究概要 |
口腔癌由来の培養細胞株9株を用い、これらに上記のMMP調節因子、1)MMPの合成、分泌の調節機構に関わるもの(EGF,TGF-α,-β,PDGF,IL-1,TNF-α,bFGF,IFN-)、2)TIMP産生促進因子に関わるもの(オンコスタチンM,EGF,PDGF,bFGF,IL-1α)を作用させ、以下の検索を行った。1)培養口腔扁平上皮癌細胞株(高転移株:5、低転移株:4)で、各種MMPならびにTIMPの発現状態を免疫組織染色ならびに免疫電顕レベルで検索した。2)培養口腔扁平上皮癌細胞株でのMMPならびにTIMPのmRNAの発現状態をノーザンブロットならびにin situ hybridizationにて解析した。3)培養口腔扁平上皮癌細胞株の培養上清ならびに細胞でのMMP,TIMPの発現状態、活性化をゼラチンザイモグラム、ウエスタンブロットにて解析した。4)培養線維芽細胞株に各種調節因子で刺激した培養口腔扁平上皮癌細胞株の培養上清を加え、MMP,TIMPの発現状態の変化をゼラチンザイモグラム、ウエスタンブロットにて検索し、両者間の相互作用について検討した。5)培養口腔扁平上皮癌細胞株の培養上清ならびに細胞での各種サイトカインTGF-α,β,TNF-α,IL1β,IFN-γ)の発現状態をRT-PCR法にて検索し、これら因子の相互作用について解析した。6)フローサイトメトリーにて培養口腔扁平上皮癌細胞株での各種MMP,TIMP,サイトカインの発現程度を検索した。以上の検索結果より、上記の各種因子がMMP,TIMPの産生調節機構に深く関与していることが認められ、これら因子と腫瘍の浸潤、転移の関連性が示唆された。
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