研究課題/領域番号 |
10470439
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
平塚 博義 琉球大学, 医学部, 助教授 (50165180)
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研究分担者 |
仲盛 健治 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (60295334)
喜舎場 学 琉球大学, 医学部, 助手 (50224936)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 舌癌 / 頚部リンパ節転移 / Eカドヘリン-カテニンファミリー / Combined Evaluation |
研究概要 |
可動部舌癌79例の生検および摘除生検組織を対象にEカドヘリン、カテニンファミリーの発現様式に関する免疫組織化学的検索を行い、臨床、病理組織所見ならびに臨床経過との関係を検討した。 (1)検索した舌癌組織におけるEカドヘリン、カテニンファミリー発現様式の組織内分布は、いずれのタンパクも癌組織の表層から中央部では非減弱型を呈する症例が多いのに対し、癌発育先進部では減弱型が多数を占めた(Eカドヘリン P=0.0007、αカテニン=0.0001、βカテニン<0.0001、γカテニン<0.0001)。 (2)癌の表層-中央部におけるEカドヘリン、カテニンファミリーの発現様式と臨床、病理組織所見との関係は、Eカドヘリンと臨床病期、αカテニンと癌浸潤様式との間に統計学的に有意な差が認められたが、癌発育先進部での評価では、Eカドヘリン、β、γカテニンとT分類、Eカドヘリン、γカテニンと臨床病期、Eカドヘリン、α、β、γカテニンと癌浸潤様式および組織学的頸部リンパ節転移の有無との間に有意な関連が認められた。以上の所見から、Eカドヘリン-カテニン複合体の発現異常の検索は、癌の発育先進部で評価すべきであると考えられた。 (3)単純ロジスティック分析で相対危険度が高かったEカドヘリン(9.3倍)とγカテニン(5.2倍)による頸部リンパ節転移の複合診断を試みた。すなわち、Eカドヘリン、γカテニンいずれかまたは両方がともに減弱を呈した症例は、多重ロジスティック分析で、頸部リンパ節転移を予測し得る唯一の独立因子であった(相対危険度13.5倍、P<0.0001)。 以上の研究結果より、Eカドヘリン、γカテニンの発現異常の検索は、舌癌頸部リンパ節転移の予測に有用であることが示唆された。
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