研究課題/領域番号 |
10470447
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 助教授 (70189801)
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研究分担者 |
杉山 明子 徳島大学, 歯学部, 助手 (90304534)
吉岡 昌美 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90243708)
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
田部 慎一 徳島大学, 歯学部, 助手 (40284301)
三木 修 徳島大学, 歯学部, 助手 (30284300)
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キーワード | 歯周病原性細菌 / GroEL様蛋白質 / 局在性 / 炎症性サイトカイン / ヒト歯肉線維芽細胞 / Helicobacter pylori / N-末端アミノ酸配列 |
研究概要 |
(1)透過型電子顕微鏡を用いてActinobacillus actinomycetemcomitans GroEL様蛋白質の局在性を調べたところ、この蛋白質に対する特異抗体を作用させた菌の電子顕微鏡像では、コントロールと比較して、菌体の外部及び内部の両方に金コロイド粒子の付着を認めた。外部では菌体表層というよりはむしろ菌体外への放出の様子が確認された。(2)昨年に引き続き、Campylobacter rectus由来GroEL様蛋白質が宿主細胞にIL-6、IL-8の発現を遺伝子レベルでも誘導しているか検索した。GroEL様蛋白質溶液とともにヒト歯肉線維芽細胞(HGF)を6時間培養した後、HGFからmRNAを抽出した。cDNAへ逆転写後、サイトカインのプライマーを用いてrt-PCRを行い、アガロースゲル電気泳動及びエチジウムブロマイド染色後、UV光により可視化して調べた。その結果、無刺激のHGFに比較して刺激HGFではIL-6,IL-8のcDNAバンドの増強が確認された。(3)消化器系疾患の原因菌として注目されているHelicobacter pyloriとC.rectusの抗原性を比較したところ、GroEL様蛋白質は両者の共通抗原の1つとしても関与していることを見い出した。C.rectus GroEL様蛋白質はSwissProt data bankを利用したN-末端アミノ酸配列相同性の検索によりH.pylori GroELと83%(29残基/35残基)と特に高い相同性を示している。今後、C.rectusを含めた歯周病原性細菌のH.pylori感染患者におけるGroEL様蛋白質の宿主免疫応答についても探求したいと考えている。
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