研究課題/領域番号 |
10470450
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
向井 美惠 昭和大学, 歯学部, 教授 (50110721)
|
研究分担者 |
綾野 理加 昭和大学, 歯学部, 助手 (50297016)
田村 文誉 昭和大学, 歯学部, 講師 (60297017)
大塚 義顕 昭和大学, 歯学部, 講師 (10266166)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
キーワード | 摂食・嚥下機能 / 顎運動 / 舌運動 / 姿勢 / 脳内酸素飽和度 / 末梢動脈血酸素飽和度 / 摂食行動 / 同一時系列 |
研究概要 |
要介護高齢者や障害者は、食事時間に一定の姿勢をとり続けることが困難な場合が多く、安定した座位が取れずに仰臥位や側臥位での食事を余儀なくされている。本研究の目的は、物性の異なる試験食品を用いて、摂食・嚥下時の顎および舌運動と食事姿勢との関連性を明らかにすることである。また、全身の起居程度と摂食・嚥下機能との関連を明らかにするために、姿勢変化が摂食・嚥下機能時に呼吸や循環動態に及ぼす影響について検討を行った。 初年度は、咀嚼・嚥下時の舌運動と下顎運動の動態と協調能について、超音波診断装置、新規購入の顎運動3次元解析装置Bio-Pak、筋電図装置の3つの情報が、同一時系列で処理可能なシステムを考案した。予備実験の結果、Bio-Pakからのデータは姿勢変化に伴い定性的な歪が生じることが分かり、計測値の補正を必要とした。また、Bio-Pakの検出部との関係から、超音波プローブを設置する方向や位置、ならびに姿勢を変化させる領域には限界があることが分かった。 2年度は、呼吸との協調を検討する目的で、無侵襲脳内酸素飽和度監視装置INVOS4100型を新規購入し、摂食時の脳内酸素飽和度(rSO_2)、末梢血管酸素飽和度(SpO_2)、呼吸状態を同一時系列で解析するシステムの構築を行った。その結果、rSO_2は摂食行動および息こらえなどの負荷の影響により変動を示すことが分かった。また、rSO_2とSpO_2間における変動の相関性は少なかった。 3年度は、摂食時の姿勢変化と食物物性の違いが摂食・嚥下時の顎と舌の協調運動に及ぼす影響と、摂食時の姿勢変化がrSO_2に及ぼす影響についてそれぞれ検討を行った。その結果、仰臥位などの摂食に不利な姿勢では、顎、舌運動ならびにrSO_2に変動がみられた。姿勢変化に伴い円滑な食塊移送を行うためには、顎や舌による代償行動がとられていることが示唆された。
|