研究概要 |
平成11年度の研究において、前年度の研究で試作した3次元6自由度顎運動測定装置の測定精度の検証を行うとともに、臨床応用に関する検討を行った。 (1)直線座標測定精度の検定 3次元測定装置(UMC850、ツアイス社)を用いて、各々3次元座標軸上X,Y,Z軸方向の位置27点でLEDを発光させ、装置にて空間座標値を読み、各座標値から計測距離を算出した。[結果]X,Y,Z軸方向の平均測定誤差は7.7μmであった。 (2)3次元座標における精度検定 X,Y,Z軸ステージ型較正器(小野測器社)にLEDを設置し、LEDを3次元的に移動させ3次元座標値を測定した。(結果)各軸におけるずれは、X軸:0.05mm(-0.13〜0.13mm)、Y軸:0.02mm(-0.04〜0.04mm)、Z軸:0.02mm(-0.05〜0.05mm)であった。 (3)測定器の機械的安定性の検定 咬合器上の模型前歯部にLED標識点取り付け、不動状態でのLEDの軌跡を記録した。(結果)X軸:0.037±0.026、Y軸:0.026±0.014、Z軸:0.017±0.012(mm)で3次元的距離は、0.055±0.024(mm)であった。 (4)振り子運動駆動装置による動的測定精度検定 振り子運動駆動装置にLED標識点を設置し、その運動軌跡を記録した。(結果)30度の角度で繰り返し振り子運動を行った時の、LEDの軌跡を捕捉する性能は安定していた。 (5)臨床応用に関する検討 正常顎運動者を被験者として、数種類の顎運動を記録した。顎運動軌跡は明瞭に記録でき咬合終末位での観察が可能であった。
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