研究課題/領域番号 |
10470461
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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研究分担者 |
小林 久芳 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80225531)
小磯 邦子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (50092200)
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キーワード | レチノイド / アンドロゲン / 核内レセプター / サリドマイド / 構造活性相関 / 分子設計 |
研究概要 |
本年度は、サリドマイドの対核内レセプター活性的な側面に焦点を当て、同化合物のフタロイル骨格を基本にプロトファルマコフォアを設定した構造展開研究を遂行した。 まず、代表的なステロイドホルモンであり、また、サリドマイドの前立腺がんに対する有効性や催奇形性との関係から関連が推定できたアンドロゲンへの活性拡張を図った。コンピュータ分子設計の支援をも受け、アンドロゲン依存的に増殖する癌細胞株SC-3を用いた細胞検定を指標に構造展開を行い、結果的にイソキサゾロン骨格を有する一連の強力な抗アンドロゲンを創製することに成功した。 創製したイソキサゾロン系抗アンドロゲンは、構造的に従来のものとは異なる、非ステロイド型・非アニリド型である点で特徴的であるのみならず、従来の非アニリド型抗アンドロゲンが無効である、変異型アンドロゲン受容体を発現するヒト前立腺癌細胞に対しても増殖抑制効果を示し、その有用性が期待される。 類似の手法を用いることによって、大腸がんの増悪因子として疑われる、シクロオキシゲナーゼの阻害剤(置換サリドマイド及びヘテロアロマティックフタルイミド類)、がんの転移浸潤に関わることが疑われるピューロマイシン感受性アミノペプチダーゼの阻害剤(ホモフタルイミド類)、糖尿病やウイルス性肝炎に対する有効性が期待されるα-グルコシダーゼ阻害剤(テトラクロロプタルイミド類)、がんの増殖と関連する血管新生に関わるチミジンホスホリラーゼの阻害剤(ヘテロアロマティックホモフタルイミド類)、を創製することに成功した。
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