研究課題/領域番号 |
10470463
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 泰之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80126002)
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研究分担者 |
首藤 紘一 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬品医療機器審査センター, センター長
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キーワード | ベンゾラクタム / テレオシジン / フォルボールエステル / 細胞内情報伝達 / 発癌プロモーター / 分子設計 / 受容体 |
研究概要 |
本研究者らは既に、teleocidin類に存在する熱力学的に単離不可能な2つの立体配座異性体の構造を、分子設計と合成の手法を用いて、それぞれ固定するとともに構造を単純化した2種のbenzolactam類をデザイン、合成し、活性評価を行うことによりtwist型と名づけた配座が活性立体配座であることを明らかにした。その活性化合物:benzolactam-V8-310(BL-V8-310)はtelcocidinB-4に近い活性をマウスでの2段階発癌試験を含めて全ての活性試験で有しており、teleocidin類あるいはphorbol ester類を含む強力なPKCアゴニストの活性発現要素解明のキーとなる化合物である。本年度に達成した細胞内情報ネットワークの機構解析に有用な分子、PKCアゴニストの設計、合成は以下のとおりである。BL-V8-310の疎水性アルキル部の一部の置換により、PKC活性の大幅な減弱を見い出し、その要因を特定するための類縁体を中心とするアルキル基の形状の異なる化合物の合成、活性評価とpkcδcys2領域とのDocking simulationによるリガンドーPKC結合に対する立体要因を解明した。また、BL類で得られた水素結令牲部位の活性な相対配置を応用した新規骨格のPKCアゴニストの分子設計と合成、すなわち、ステロイドあるいはデカリン骨格のA環に7員環ラクタムとhydroxymethyl基を構築し、B環以降を疎水性部分とした化合物の合成と活性評価を行い、nMオーダーで活性のある化合物を得た。
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