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1998 年度 実績報告書

CFTAの簡易合成法の開発と高精度絶対構造決定試薬としての活用

研究課題

研究課題/領域番号 10470465
研究種目

基盤研究(B)

研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

竹内 義雄  富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (20111750)

研究分担者 高橋 たみ子  富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (10115181)
柴田 哲男  富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (40293302)
甲 国信  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40005799)
キーワードCFTA / 絶対構造 / キラル-2級アルコール / ^1H NMR / ^<19>F NMR / ab initio 計算 / sp配座 / X線結晶解析
研究概要

1. ラセミ体CFTAの簡易合成法の開発と異性体識別能の検索
市販のp-キシリルシアニドを原料として短工程,高収率でCFTAを得た.これをCFTA塩化物とした後,キラル中心が反応点から離れたキラル求核剤と縮合してCFTA誘導体とし,^1H NMRおよび^<19>F NMRにおけるジアステレオマー間の化学シフト差を測定し,CFTAがCFPAと同等の,すなわちMTPAに比べて格段に高い異性体識別能を有することを明らかにした.
2. 光学活性CFTAの簡易入手法の検討
CFTAの高純度かつ大量合成を念頭に,種々の光学活性アルコールやアミンを用いるCFTAの簡便分割法を検討したが,現在までの所,酵素法に勝る分割法の開発には至っていない.卓上凍結乾燥システムの導入によって,酵素法におけるCFTAの抽出効率が大幅に改善された.
3. 絶対配置決定法の検討
CFTA誘導体は他の類似試薬に比べて1桁大きな化学シフト差を与えるため,明確な安定配座をとっている可能性が非常に高い.そこで,CFTA構造に関して立体配座を調べるため実験と計算を行って,以下の結果を得た.
i) 絶対構造既知の2級アルコールとのCFTAエステルの^1H NMRおよび^<19>F NMRにおけるジアステレオマー間の化学シフト差を測定したところ,アルコールの絶対配置との相関が観察された.
ii)CFTA誘導体のab initio計算により,基底状態における安定配座とそれらの間のエネルギー差を求めた.その結果,F-CαとC=Oの関係がsyn-periplanarになっているsp配座とanti-periplanarになっているap配座の2つの安定配座が存在し,^1H NMRの結果を説明できるsp配座の方が安定であることを明らかにした.
iii) 低温でのNMRを測定したが,ピークのブロード化が起こり,配座異性体のピークの分離を観察するには至らなかった.今後,測定溶媒の検討が必要である.
iv) ネオメントールのCFTAエステルのX線結晶解析を行い,結晶状態ではF-Cα-C(O)-O-C-Hがすべてsyn-periplanarになっていることを明らかにした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Takeuchi et al.: "Efficient Synthesis of A New,Highly Versatile Chiral Derivatizing Agent,α-cyano-α-fluoro-p-tolylacetic Acid(CFTA)" Chem.Commun.365-366 (1998)

  • [文献書誌] Y.Takeuchi et al.: "Simple Synthesis of α-Cyano-α-fluoro-p-tolylacetic Acid(CFTA),a New Effcient Chiral Derivatizing Agent" Enantiomer. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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