研究課題/領域番号 |
10470470
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長尾 善光 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)
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研究分担者 |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
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キーワード | システインプロテアーゼ / カテプシン / カルパイン / アミノ酸 / 酵素加水分解 / 不斉アルキル化反応 / 不斉アルドール反応 / アミノマロン酸 |
研究概要 |
システインプロテアーゼのカテプシン-B、-L、-K、-S及びμ-カルパインに対する新規低分子阻害剤の分子設計として、非ペプチド部位にはチオジグリコール酸スルホキシド(あるいはスルホン)及びビフェニルカルボン酸を採用し、アミノ酸部位としてはL-ロイシン、L-バリン、L-フェニルアラニン、各種キラルα置換セリン誘導体、L-ロイシンアルデヒド、L-フェニルアラニンアルデヒド、L-シクロヘキシルアラニンアルデヒド等を採用することにした。各種キラルなα置換セリン誘導体は3通りの方法によって合成した。すなわち、α-アルキル-α-アミノマロネート体を豚肝臓エステラーゼや兎肝臓エステラーゼ加水分解に付して高エナンチオ選択的にモノカルボン酸誘導体を得た。更にエナンチオ分岐的還元反応に付して各々R-及びS-αアルキル置換セリン誘導体を得ることができた。他の方法としては、アミノマロン酸ジエチルエステルとL-バリンから合成したキラルなビスラクチムジエチルエーテルカルボン酸エチルエステル体のNaH、n-BuLiならびにSn(II)及びMg(II)-アミン試薬を用いる不斉アルキル化あるいは不斉アルドール反応を駆使して各種キラルなαアルキル置換セリン誘導体の合成を達成した。キラルアミノ酸のアルデヒド体は、NaBH_4-I_2試薬による還元反応に付して得たアミノアルコール誘導体を用い、ペプチド結合形成後に酸化反応を行い目的のアルデヒド体を得た。各種酵素阻害実験の結果、チオジグリコール酸のフェニルアラニン誘導体はカテプシン-Kに対して弱いながら阻害活性を示し、ビフェニルカルボン酸-L-バリン-アミノ酸アルデヒド体はμ-カルパイン及び各種カテプシンに対して強い阻害活性を示すことが明らかとなった。特にシクロヘキシルアラニンのアルデヒド体はカテプシン-Kに対して10^<-8>M濃度で阻害活性を示した。
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