研究課題/領域番号 |
10470471
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
國枝 武久 熊本大学, 薬学部, 教授 (80012649)
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研究分担者 |
松永 浩文 熊本大学, 薬学部, 助手 (10274713)
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 助教授 (60176203)
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キーワード | 2-オキサゾロン / 2-イミダゾロン / 2-オキサゾリジノン / 2-イミダゾリジノン / 不斉補助剤 / 不斉配位子 / 速度論的光学分割 |
研究概要 |
超効率不斉制御能を持つ三環性2-オキサゾリドンや2-イミダゾリドン系不斉補助剤の簡易大量合成法を触媒的手法を用いて確立すると共に、それらの開環により得られる二環性2-アミノアルコールや1、2-ジアミン類を不斉配位子とする優れた不斉反応系を多岐にわたり確立し、その応用をはかる事を目的とした。 1.アミノアルコール系およびジアミン系不斉配位子としての応用展開:光学活性二環性アミノアルコールより誘導したキラルなオキサザボロリジンを触媒量用い、新規に合成したdl-N-アセチル-4-置換-2-イミダゾリジノン体をジボラン処理したところ、還元的不斉脱アセチル化が進行し、何れも高い不斉収率と化学収率で速度論的光学分割が達成された。本手法は、既に開発している化学量論量の分割基MAC-酸を用いた効率的光学分割法と並び、イミダゾリジノン系不斉補助剤の触媒的合成法として極めて有効である。 2.不斉補助剤としての利用展開:上記手法により得られた光学活性4-置換-2-イミダゾリジノン系不斉補助剤の不斉制御能を精査すべく、従来法では不斉制御が困難とされるN-ブチリル体のメチル化反応について検討した。その結果、最高でも72%de程度の選択性しか示さなかった4-phenyl体に比べ、4-t-butyl体や4-adamantyl体ではジアステレオマー比490-500:1以上という、ほぼ完全な不斉制御能を示すことが明らかとなった。また、4-adamantyl体の不斉制御能は4-t-butyl体の時と同様、N-置換基(R^2)に大きく依存するものの、Me体が不斉補助剤として最も適しているという、傾向が大きく異なる興味深い知見が明らかとなった。
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