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1998 年度 実績報告書

シグナル伝達酵素ホスホリパーゼDの機能調節ドメインと生理的役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10470480
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京工業大学

研究代表者

金保 安則  東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (00214437)

キーワードホスホリパーゼD / 低分子量G蛋白質 / RhoA / ARF / プロテインキナーゼC
研究概要

現在までに哺乳類ホスホリパーゼD(PLD)としてPLD1とPLD2がクローニングされており、PLD1にはPLD1aとPLD1bのスプライシングバリアントが存在する。これらのPLDのうち、PLD1(PLD1aとPLD1b)はin vitroで低分子量G蛋白質のRhoAとADPリボシル化因子(ARF)、およびプロテインキナーゼCα(PKCα)により活性化されることが明らかにされている。さらに、これら因子の効果は相乗的であることより、それぞれの因子はPLD1の異なる部位に直接結合して活性化効果を示すと考えられているが、PLD1の結合部位は解明されるに至っていない。そこで、これらの因子に対するPLD1の結合部位を検索し、以下の成果が得られた。
酵母two-hybridsystemにおいて、PLD1a(全長1074アミノ酸)の各種断片と活性化因子ARF、RhoA、およびPKCαとの相互作用を検討した結果、PLD1aのC末端部分712-1074アミノ酸残基PLD断片(D4ペプチド)が活性型RhoA(RhoAval14)と特異的に相互作用したが、その他の活性化因子についてはポジティブな結果は得られなかった。D4ペプチドとRhoAval14との相互作用は、in vitroおよびin vivo(COS-7細胞内)でも確認できた。また、このペプチドは、in vitroにおいてARFやPKCαによるPLD1αの活性化には影響を与えなかったが、RhoAにより活性化されるPLD1aを特異的に阻害した。以上の結果より、RhoAはPLD1aのC末端領域に結合し、ARFとPKCaはPLD1αのその他の領域に結合してPLD1a活性を調節するものと結論づけられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Yokozeki et al.: "Purification and characterization of phosphatidic acid-regulated protein kinase and its substrate,p29" J.Neurochem.71. 410-417 (1998)

  • [文献書誌] K.Toda et al.: "Colocalization of phospholipase D1 and dominant negative ADP-ribosylation factor 6 to endosomes and lysosomes" FEBS Lett.442. 221-225 (1999)

  • [文献書誌] M.Yamazaki et al.: "Interaction of the Small G Protein RhoA with the C-terminus of Human Phospholipase D1" J.Biol.Chem.印刷中. (1999)

  • [文献書誌] 金保安則: "細胞内シグナル伝達酵素ホスホリパーゼDをめぐる新しい研究の展開" ファルマシア. 34. 1218-1222 (1998)

  • [文献書誌] 金保安則: "細胞内シグナル伝達酵素ホスホリパーゼDの活性調節機構" Radioisotopes. 47. 65-68 (1998)

  • [文献書誌] 横関健昭 他: "細胞内シグナル伝達酵素ホスホリパーゼDに関する最近の話題と今後の展望" 生化学. 70. 285-290 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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