研究課題/領域番号 |
10470488
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
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研究分担者 |
近藤 佐知子 帝京大学, 薬学部, 助手 (10286982)
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
山下 純 帝京大学, 薬学部, 講師 (80230415)
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キーワード | カンナビノイド / アラキドノイルグリセロール / モノグリセリド / アナンダミド / アラキドン酸 |
研究概要 |
我々は、内在性カンナビノイドレセプターリガンドである2-アラキドノイルグリセロールがカンナビノイドCB1レセプター依存性機構により培養神経系細胞であるNG108-15細胞において、速い一過性の細胞内遊離Ca^<2+>濃度上昇をもたらすことを見いだした。次いで我々は2-アラキドノイルグリセロールの生合成機構について研究を行った。ラット脳ホモジネートをカルシウムイオン存在下インキュベートすると、2-アラキドノイルグリセロール及びアラキドン酸含有ジアシルグリセロールが速やかに生成した。また、外からアラキドン酸含有ジアシルグリセロールを添加した時には、カルシウムイオンの非存在下でも、2-アラキドノイルグリセロールの生成が認められた。次に、放射標識した種々のリン脂質を基質として加えた実験から、2-アラキドノイルグリセロールやアラキドン酸含有ジアシルグリセロールは、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミンなどではなく、ホスファチジルイノシトールから生成することを明らかにした。上記の実験を総合すると、ラット脳ホモジネートにおいて、2-アラキドノイルグリセロールは、主としてホスファチジルイノシトールなどのイノシトールリン脂質がまず、脳ホモジネート中に存在するホスホリパーゼ-C活性によりジアシルグリセロールを生じ、それが更に、ジアシルグリセロールリパーゼによって分解されて産生されるものと考えられる。
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