研究課題/領域番号 |
10470489
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
木村 成道 財団法人 東京都老人総合研究所, 遺伝子情報部門, 室長 (60073029)
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研究分担者 |
松崎 尹雄 三菱化学総合研究所, 部長
野村 晃司 財団法人, 東京都老人総合研究所・蛋白質生化学部門, 研究員 (30073026)
石川 直 財団法人, 東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門, 研究員 (30184485)
福田 貢 財団法人, 東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門, 助手 (30100126)
島田 信子 財団法人, 東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門, 助手 (60158962)
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キーワード | NDPキナーゼ / nm23 / 酵素活性 / 細胞分化 / PC12細胞 / 神経突起形成 / NGF / dbcAMP |
研究概要 |
本研究は3年間の予定で、ヌクレオシドニリン酸キナーゼ(NDPK)の分子機構を解明することを目的とし、相互作用因子の探索とそれらの細胞現象における役割の解析を主な課題として取り組むことにしている。今年度細胞分化におけるNDPKの役割の解析を進めるため、遺伝子導入の細胞形質への影響を検討した。〈方法と結果〉1)内因性NDPKと区別するためHAタグを挿入し、さらに、酵素活性の関与を探るため活性部位であるHis118をAlaに置換した改変不活性蛋白質の利用を試みた。これらを大腸菌に発現させ、簡易迅速精製法で単離したNDPKsは、予期した結果を与えた。2)ラットPCl2D細胞を用い、これらの蛋白質の強制発現株を単離し、分化誘導剤(NGF.dbcAMP)による神経突起形成能への影響を調べた。その結果、活性型HA-NDPKβ発現細胞では誘導剤非存在下でも突起形成能が認められた。また、不活性型NDPK発現細胞では、分化誘導剤による突起形成能が強く抑制されることが判明した。〈考察〉これらの遺伝子導入細胞には内因性酵素活性が同程度に存在しているので、不活性型NDPKによる抑制作用は内因性酵素との競合によるドミナントネガティブ効果と考えられた。本実験結果はPCl2D細胞の分化誘導の際に、NDPKが何らかの細胞質因子と相互作用することが必須のプロセスであることを示唆している。今後、その因子の単離、同定の作業に取り組む予定である。
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