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1999 年度 実績報告書

微量元素摂取量で変動する生体内抗酸化因子によるレドックス制御

研究課題

研究課題/領域番号 10470499
研究機関北里大学

研究代表者

井村 伸正  北里大学, 薬学部, 教授 (70012606)

研究分担者 近藤 幸尋  日本医科大学, 医学部, 講師 (80215467)
原 俊太郎  北里大学, 薬学部, 講師 (50222229)
姫野 誠一郎  北里大学, 薬学部, 助教授 (20181117)
キーワードセレン / メタロチオネイン / 微量元素 / 転写因子 / NF-kB / 遺伝子発現 / チオレドキシンリダクターゼ
研究概要

本研究は、セレンや亜鉛などの微量元素を含有する生体内レドックス調節因子の作用機構を明らかにすることを目的として行った。種々の細胞反応を制御するレドックス調節因子としてチオレドキシンが注目されているが、チオレドキシンは細胞質では抗酸化因子として転写因子NF-kBの活性化に抑制的に働き、核内では逆に促進的に働くことが報告されている。チオレドキシンと同様に低分子量で、活性酸素消去作用を持つ金属結合蛋白質メタロチオネインは、やはり細胞質においてNF-kBの転写活性化能を抑制し、核内においては逆に促進する可能性を見いだした。しかし、その作用機序はチオレドキシンとは異なっている可能性があり、詳細な検討が必要がある。一方、チオレドキシンを還元し、活性型にする酵素であるチオレドキシン還元酵素(TR)がセレン含有酵素であることが最近報告されている。ウシ血管内皮細胞(BAEC)を用い、各種セレン蛋白質の発現がどのように変化するかを調べたところ、セレン欠乏によってTRのうちの細胞質型(TR1)は、活性が減少するが、mRNAレベルはむしろ上昇することがわかった。さらにBAECを過酸化水素で処理すると、様々なセレン蛋白質のうち、TR1のみの活性、及びmRNAレベルが顕著に上昇することが明らかになった。TRのポリペプチド鎖の中で、セレノシステインはC末端に存在し、活性酸素によって酸化されやすいことも報告されており、TRの発現、活性が、酸化ストレスとセレンの供給量によって複雑に制御されているものと考えられる。今後、TRの発現調節が活性酸素ストレスに応じてどのように変化しているか、またその活性化がレドックス調節にどのような役割を果たしているか詳細に検討する必要がある。

研究成果

(3件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] Y.Suzuki et al.: "The role of antioxidant systems in human androgen"The Prostate. in press. (2000)

  • [文献書誌] A.Sakurai et al.: "Regulatory role of metallothionein in NF-kB activation."FEBS Lett.. 455. 55-58 (1999)

  • [文献書誌] Y.Kondo et al.: "Metallothionein modulates the carcinogenicity of N-butyl-N-(4-hydroxybutyl)nitrosamine in mice."Carcinogenesis. 20. 1625-1628 (1999)

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公開日: 2001-10-22   更新日: 2016-04-21  

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