研究課題/領域番号 |
10470501
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (1999-2000) 東京大学 (1998) |
研究代表者 |
田村 誠 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50272422)
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研究分担者 |
武川 正吾 東京大学, 大学院・人文社会学研究科, 助教授 (40197281)
福田 敬 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40272421)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 医療政策 / 価値意識 / 公的介護保険 / 自己負担割合 / 資源配分 / 選好 / 信頼 / 政策評価 |
研究概要 |
本研究では、大きく3つの成果を得た。 一つは、医療や医療政策に関わる一般市民・医療従事者の価値意識を測定するための方法・用具の開発・検討である。その一つは、保健医療資源配分の選好に関わるものである。費用効果分析のみでは、資源配分の優先順位決定が困難であるとの認識のもと、資源配分の選好を把握する方法が必要と考えられる。もう一つは、医療に関する信頼に関するスケールである。わが国では、これまでほとんど開発されてこなかったものを新たに作成し、その信頼性・妥当性を検討した。 二つめは、公的介護保険に関する一般住民の価値意識の調査である。2000年4月に新たに導入された公的介護保険が一般住民にどのように認知され、受け止められているか、などを明らかにしようとした。調査結果は、全般として公的介護保険は一般住民の多くの人に認知され、その是非が論じられる自己負担割合についても概ね受け入れられていた。また、民間企業の参入についても全般的には前向きに受け止められていた。家事援助サービスの範囲は、種類によって一般住民の態度は大きく異なった。ペットの世話などに対しては、否定的な意見が多くみられたが、一方、話し相手に対しては肯定的な意見が多かった。 三つめは、政策評価の方法論、とくに一般市民・医療従事者の価値意識との関係である。以下の観点から、一般市民・医療従事者の価値意識は政策評価にとって重要である。 (1)政策評価には多くの切り口があり、どれが正しいかに明確な答えはなく、それを決めるのは一般市民・医療従事者の価値意識であること (2)政策評価は死亡率や罹病率などのデータを元にした量的評価と、一般市民・医療従事者の価値判断などを含めた質的評価の両面からのアプローチが重要であること (3)プロセス評価だけではゲーミングなどの問題を生じる可能性があるため、利用者の満足度調査などが必要であること
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