• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

細胞間環境におけるグリア細胞の脳神経保護機構としての機能的役割の究明

研究課題

研究課題/領域番号 10470512
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京医科大学

研究代表者

渡辺 泰雄  東京医科大学, 医学部, 助教授 (70183720)

研究分担者 本間 豊彦  東京医科大学, 医学部, 講師 (60229268)
渡辺 省五  東京医科大学, 医学部, 助教授 (10210907)
キーワード細胞間情報連絡系 / 細胞環境系 / 脳障害発現 / 細胞外マトリックス / 神経保護 / 新規コンドロイチン硫酸化合物 / 細胞接着障害
研究概要

神経組織での細胞間情報連絡系は神経機能の調節に重要な役割を果たしている。本研究は情報連絡系としての細胞環境系における役割を明確にすることを主目的とした。初年度は、内毒素であるLPS誘発の脳障害発現に対する細胞外マトリックスの神経保護作用を明らかとするためにコンドロイチン硫酸と新規化合物を用いて比較検索を行った。方法として、1)培養細胞は小脳顆粒細胞を定法の如く分取し、AraC添加の有無、KCl不含のBMEでの相違により、神経細胞が豊富な群、神経細胞とグリア細胞が混在した群、グリア細胞が豊富な群の三群とした。2)細胞障害はCalcein AM(最終濃度5μM)を各細胞に加えた後75分間incubateして、蛍光マルチウェルプレートリーダーで励起波長485nm、蛍光波長530nmで測定した。3)LPSの添加は10及び20μgとして各コンドロイチン硫酸(CS)ならびに新規コンドロイチン硫酸化合物(CS-PE)はLPS添加30分前に行った。結果として、LPSの添加によって誘発される細胞死を三群で比較すると、神経細胞やグリア細胞単独群で多量の死ならびに著明な細胞接着障害が認められた。一方、神経細胞とグリア細胞の混在した細胞群ではLPS誘発の細胞死は約20%であった。さらに、CSではLPS誘発の細胞死に対する明らかな保護効果は認められなかったが、CS-PEは10-100ngの範囲で用量依存的な明害効果が観察された。以上の成績から、密な細胞環境系が存在する時、LPS誘発細胞障害は抑制され、CS-PEが低濃度で神経保護効果を示したことから、細胞外マトリックス調整作用を有する薬物は新しい脳保護治療としての可能性を有することが示唆された。以上の成績は現在、国際誌へ二報投稿中、準備中である。尚、本研究関連実験としてキノコ成分における細胞外マトリックスの細胞保護効果に関しては和漢医薬学雑誌に掲載予定である。

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi