研究課題/領域番号 |
10470519
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 ひとみ 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80173847)
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研究分担者 |
菊地 佳代 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (70322857)
金川 克子 石川県立看護大学, 教授 (10019565)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 女性高齢者 / 生活戦略 / ひとり暮らし / ルサンチマン / 愛着行動 / 疑似家族化 / 幼児期の母子関係 |
研究概要 |
本研究では、平成10・11年度に女性高齢者が、在宅療養生活を維持するために用いる戦略の特性(動機と内容)を参加観察法と面接法によって明らかにした。平成12年度は最終年度として、訪問看護婦に対して前年度までの研究成果を説明し、戦略を受容したケアの実態調査を実施した。また、研究者は訪問看護婦に同行して女性高齢者の家庭を訪問し、ケア内容及び高齢者の満足感を調査した。その結果、戦略を受容したケアの実態として、次のような特徴的な状況が明らかとなった。ひとり暮らしの対象の場合には、ルサンチマンがその生活を維持するための基盤となっているため、これを克服する文脈を3類型導き出した。これらは、「反撃」、「激励」と「現実対応」であった。「反撃」と「現実対応」の型に対しては、癒しのための看護のアプローチが求められ、回想法やライフレビューの有用性も想定された。「現実対応」型は、ひとり暮らしへの執着が弱く、入院生活に移行し易いと思われた。一方、昼間ひとりで暮らす女性高齢者の場合には、訪問看護婦や家族(子供)との「愛着」関係を用いていることがわかった。それは、前者に対して「疑似家族化作用」であり、後者に対しては「幼児期の母子関係の再現」であり、看護ケアの質に影響を与える重要な観点であると結論づけることができた。
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