研究課題/領域番号 |
10470521
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村嶋 幸代 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60123204)
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研究分担者 |
金川 克子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10019565)
川越 博美 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50297066)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 在宅看護 / 24時間在宅ケア / 総合ケアプラン / 尺度開発 / 介護 / 訪問看護 / デンマーク / 米国 |
研究概要 |
本研究は、24時間在宅ケアの中で提供されている訪問ケアと通所サービス、それに関わる要因を分析することを通して、訪問看護の意義と専門性を明確にすることを目的とした。 研究は2部構成で行った。 第一に、24時間の訪問看護・介護サービスニーズ把握のための質問紙に基づき、全国12ヶ所の訪問看護ステーションから366件の訪問看護・介護記録を収集した。各種の訪問サービス(訪問看護・滞在型介護・巡回型介護)と通所サービスの利用頻度に影響する要因を重回帰分析で調べた所、他の変数の影響を差し引いても訪問看護には医療処置の数と巡回型介護の利用回数が影響を及ぼしていた。滞在型および巡回型介護の訪問頻度を増すものは、一人暮らしであること、ADLが低いこと、家族が介護できる時間帯が限られていることであった。 次に、実際に、夜間・早朝に計画的訪問看護・介護を提供している1ステーションの利用者89名に対し、ニーズ並びに提供しているケア内容を調べた。時間帯別看護・介護の提供内容から、家事援助は主に日中ヘルパーによりなされ、身辺ケアは看護婦とヘルパーが、医療処置は看護婦が行っていた。殊に、看護婦が夜間・早朝に計画的に訪問することで、「医療処置は看護婦が行う」ことが可能になっていた。 全利用者のうち大多数は、日勤帯のみの訪問で済んでいた。夜間・早朝の訪問を受けているのは約13%で全国値よりも多く、体制が整えばこの程度の利用者があると推測された。利用経過の分析から、病状や家族の介護状況の変化により、速やかに利用パターンを変更することができていた。また、在宅ターミナルへの対応も可能になっているといえる。以上から、看護職が24時間訪問看護を行うことによってより重度、医療処置の必要者等も訪問対象に入り、支える在宅療養者の層を厚くしていけることが示された。
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