研究課題/領域番号 |
10470523
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
山岸 春江 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40090386)
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研究分担者 |
渡辺 みどり 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60293479)
太田 真里子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40293451)
山崎 洋子 山梨医科大学, 医学部, 講師 (10248867)
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キーワード | 保健婦活動 / 保健所 / 市町村 |
研究概要 |
行政の看護専門職の活動としては保健所および市町村に所属する保健婦の活動を日本の保健婦によって記述された文献から整理した。その結果保健婦の活動体制としては、大正、昭和初期までは、自然発生的に社会事業の1つとして民間団体が看護婦を採用する形で発生してきたが、保健所法と国民健康保険法の成立をきっかけに大枠が整理され行政組織に組み込まれて発展してきた。保健所は国の保健衛生施策の第一線の実施機関として発達し、保健婦は保健所管轄下の全住民を対象として母子衛生、結核対策、寄生虫病対策、栄養指導で活動していた。 保健婦活動を量的にとらえる資料には、昭和30年から年報形式で発行されている保健所運営報告を収集した。保健婦活動を方法別に区分すると「家庭訪問」「健康相談」「健康診査」「健康教育」などであるが、当初報告書には家庭訪問活動にかぎられていたが、昭和38年から家庭訪問以外の活動も報告されるようになった。この資料によって保健婦の業務実績を保健所と市町村に区別して対象種別に時期別に分析した。時期毎に家庭訪問に投入される稼動量は異なるが、対象種別の割合の変化はその時期の保健衛生行政施策の影響を強く受けていることが示唆された。家庭訪問以外の活動では昭和38年頃は予防接種をとおして住民と接点をもつことが多かったが、それが次第に減少し衛生教育活動が増加していることが明らかになった。長年、我が国の保健衛生行政施策の重点課題となっていた結核対策における保健婦活動をとりあげ、結核患者管理の方法の開発に取り組んだ神戸市の保健婦活動の情報を収集し、その成果を分析中である。
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