研究課題/領域番号 |
10470523
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
山岸 春江 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40090386)
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研究分担者 |
小林 陽子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20313801)
太田 真里子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40293451)
山崎 洋子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (10248867)
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キーワード | 市町村保健婦 / 福祉行政分野 / 保健婦業務 |
研究概要 |
1.福祉分野に所属する保健婦の業務実態に関する全国調査 Y県の福祉分野に所属する保健婦の業務実態調査結果をもとにして、保健婦の業務内容を捉える調査項目の枠組みを設定し、全国の福祉分野に所属する保健婦33都道府県1区45市15町3村の152人を対象に郵送調査を実施し、22都道府県1区27誌12町90人から回答を得た(回答率59.2%)。その結果、福祉分野に所属する保健婦の自治体での勤務年数は、平均13.5年で、福祉分野での勤務年数は、平均2.6年であった。従事した業務として、90%以上の実施率だったのは、電話及び所内相談、会議で、家庭訪問の実施率は、53.3%、ヘルパー援助の実施率は、35.6%であった。保健婦が成果としていたのは、他機関との連携がとりやすくなった、サービス利用者の様子や思いを代弁できる、保健分野との連携が取りやすくなったなどであった。ヘルパー援助を実施している群(32人)としていない群(57人)とで、業務の実施率を比較すると、ヘルパー援助群ではすべての項目で実施率が有意に高かった。これらから、福祉分野には、経験豊かな保健婦が配置され、その役割として、住民のニードにあった行政サービスの提供促進、保健婦の医療面の判断による福祉サービスの利用拡大、介護サービスの質の維持が抽出された。 2.事例調査 優れた保健婦活動を実施してきた3人に対し、その活動実践についてインタビュー調査を実施し、それらの活動の基盤となった保健婦の考え方、活動の意図などについて分析した。また、それらの活動の背景となった保健福祉行政について資料を収集し、文献に報告された他の保健婦の実践報告とつき合わせ、保健婦の普遍的な役割を明らかにしようとした。その結果、保健婦の活動の基盤は、個別の看護活動であり、個々の援助を積み重ねることにより、活動が個別から周囲の地域社会に拡大していくという特徴があった。また、個々の援助は、多様な活動方法と人材によって展開されており、多くの関係者の相互理解によって、普遍的な活動へと発展していくことが確認された。
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