研究課題/領域番号 |
10470524
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阿曽 洋子 大阪大学, 医学部, 教授 (80127175)
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研究分担者 |
高田 喜代子 大阪大学, 医学部, 助手 (80303973)
平河 勝美 大阪大学, 医学部, 講師 (10254476)
小笠原 知枝 大阪大学, 医学部, 教授 (90152363)
田中 結華 大阪市立大学, 看護短期大学部, 講師 (80236645)
平井 富弘 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (70020104)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 看護技術 / 身体的負荷 / 精神的負荷 / 高齢者 / 体位変換 / 移動 / 更衣 / 背部清拭 |
研究概要 |
I.研究目的:基礎看護技術で教授し、また実践場面でも非常によく使用する日常生活の援助技術、特に体位変換、更衣、全身清拭に対して、患者に安全で安楽な援助技術を提供することを目標に、患者および看護婦の動作を分析するとともに、患者および看護婦の身体負荷ならびに患者の精神負荷をもとに、看護行動的見地からそれらの原理・原則を見出すための基礎資料を得ることである。 II.研究方法:1.体位変換、更衣、背部清拭・下肢の清拭の各々について、援助を行うときの安全性と安楽性について文献検討を行い、安全性・安楽性の要素を検証するために、前述の援助について実験によって検証を行った。2.体位変換に関する検証:対象は患者役は青年および高齢者が各々10名づつであり、看護婦役は熟練した看護婦が実施した。対象者は応募によって集まった人たちである。実験開始前に、再度、内容を説明し同意が得られた人に対して実験を行った。なお、実験の途中で中止をしてもよいことも伝えた。実験は、仰臥位から左側臥位への体位変換時によく使う4つの方法で行い、身体負荷と精神的負荷、そして患者役と看護者の動作の撮影を行った。血流測定には、レーザー血流計オメガフロー(ユニークメディカル社製)、血圧や脈拍は右示指にオキシセンサーを巻き、血圧脈拍監視モニターで、動作は三次元ビデオ動作解析装置を用いて計測を行った。収集したデータは、アナログからデジタルに変換し、統計的手法で分析を行った。3.更衣については、体位変換が大いに影響するため、体位変換の結果により検討を行った。4.背部清拭および下肢の清拭は、熟練看護婦と新卒看護婦の動作を分析することで、安全性・安楽性をみた。 III.結果および考察 1.体位変換方法では、身体負荷、精神負荷、動作分析から、青年は同時が安楽であり、高齢者は肘膝が安楽であることが検証できた。これは、円背などの体型によってもたらされたものと考えられた。患者の体型により、体位変換方法を選択する必要があることが示唆された。 2.背部清拭および下肢の清拭は、援助技術が安全性や安楽性に影響があり、熟練看護婦の動作が効率的であり、患者の安全性や安楽性を考慮していることが明らかになった。 今回の研究では、実際の患者への適応ができなかったことから、今後はその追跡をおこないたいと考えている。
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