研究課題/領域番号 |
10470527
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
稲岡 文昭 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40151568)
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研究分担者 |
濱田 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (10208580)
樋口 康子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50198991)
平木 民子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (60308286)
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (90257270)
川原 由佳里 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (70308287)
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キーワード | 学校経営 / 看護系大学 / 看護教員 / 大学組織 |
研究概要 |
本研究は、看護系大学における看護教員の経営参加の現状を分析することにより、看護系大学における学校経営の問題と課題を明らかにすることを目的とするものである。ここでの「経営参加」とは、「大学を運営するための重要事項に関する意思決定に加わること」とし、1)看護教員の特性と所属する大学組織の特性、2)大学の意思決定機関である教授会、教育課程編成・人事・研究費配分に関わる会議、3)看護教員のみによって構成される会議に焦点を当て、これらの会議への出席・参加状況と会議の様子を研究の枠組みとした。そして看護系大学における教員の経営参加の問題点と課題を明らかにするために、看護教員による大学組織の評価も把握した。平成12年度までに完成年次を迎えている看護系大学54校の看護教員1459名を対象に自記式による質問紙調査を行い、統計的に集計分析した。研究3年目の最終年度にあたる今年度は、2年目に行った質問紙調査のデータの集計分析結果を考察して報告書を作成した。全般的には、いずれの会議においても、教員の出席度や決議内容への納得度は高い傾向にあった。しかしながら会議の様態については、設置主体や職位によって教員の認識が異なっていた。例えば、医学部や保健学部の下部組織に位置づく「国立」は、教授会を形式的であり組織を閉鎖的と捉える傾向にあり、行政下の単科大学が多く占める「公立」は、組織のシステムが不明瞭で多忙と捉える傾向にあった。また、会議は民主的で自由に討議できると肯定的に捉える「教授」と、形式的で発言しづらいと否定的に捉える「助手」といったように職位による経営参加への認識が異なることが明らかになった。さらに、大学の意思決定過程上の課題について寄せられた回答には、看護学組織としての自律性を獲得することやオープンな組織を目指す必要性が示されていた。
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