研究課題/領域番号 |
10480004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
跡見 順子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90125972)
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研究分担者 |
水野 一乗 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70251337)
八田 秀雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60208535)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | ストレスタンパク質 / 走運動 / 肝臓 / 骨格筋 / HSP70 / 後肢懸垂法 / 筋萎縮 / GPT |
研究概要 |
本研究では、1)走運動時によるストレスタンパク質発現と2)不活動として後肢懸垂によるストレスタンパク質のターゲット細胞骨格チューブリンの変動について検討した。1)乳酸値が4mM以上(走速度:24m/min)と以下になる強度(走速度:13m/min)での走運動をラットに負荷し、運動を遂行する臓器として骨格筋(ヒラメ筋と足底筋)と心筋、非運動関連臓器として肝臓でのストレスタンパク質の発現をHSP72,HSC73の特異的抗体を用いて検討した。また運動の肝臓への影響をみるために、肝臓の逸脱酵素GPTを測定した。ストレスタンパク質の発現のポジティブコントロール群として温浴による熱ショック実験を行った。その結果、運動時、活動が抑制される肝臓では、高強度の運動時には肝臓逸脱酵素GPTが増加する傾向を示し、HSP72の著明な(3〜4倍)増大、HSC73も数時間後に20%ほど上昇する傾向を示した。これに対し、運動を担う遅筋ヒラメ筋では高強度・低強度の運動ともにHSP72の20%の増加が、低強度の運動ではHSC73のみ増加が観察された。心筋では高強度の運動では両HSP70ともに減少が観察された。2)後肢懸垂後のヒラメ筋では筋総タンパク質量を一定にしたときチューブリンは5日で特異的に有意に減少し、ストレッチでは逆に上昇が観察された。とくにストレッチでは5日目で約3倍、10日目では3倍以上の増加が観察された。萎縮筋でαB-クリスタリンの沈殿分画への移行を調べたところ対象群に比べて多かった。αB-クリスタリンは変性タンパク質を認識して上清画分から沈殿画分へ移行している可能性が示唆された。以上から日常の活動、LT以下の低強度の運動では構成的発現タイプのストレスタンパク質を、高強度の運動が誘導性のストレスタンパク質の発現を増大させることが明らかとなった。
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