本研究は、17・18世紀におけるタウンシップが、英国においてどのような機能変遷を経るのか、またそのいずれの段階の概念が、用語と共にいつどこへ伝播し。どのような展開を示すのかを明らかにすることを目的とする。本年度はその第3年目に当り、英国の中でも最も典型的なタウンシップの展開地域であったウエストヨークシャーを事例として英国のタウンシップの機能変遷と、その領域構造について整理分析した結果を公刊した。さらに北米ニューイングランドおよびカナダの英領植民地のタウンシップに関する資料収集とその分析を進めた。とくにニューイングランドでは、タウンシップの用語が次第に行政的なタウンの予定地として使用される傾向が強まり、やがてタウンシップの語がさらにタウンの土地計画を伴う実体を表現するように変容した事実を確認することができた。
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