研究課題/領域番号 |
10480019
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
矢井田 修 京都女子大学, 家政学部, 教授 (50029352)
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研究分担者 |
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (50165784)
伊藤 啓 平安女学院短期大学, 生活学科, 教授 (20213077)
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キーワード | 大人失禁用紙おむつ / スパンレース不織布 / 細孔分布 / 紙おむつの官能検査 |
研究概要 |
現在の大人失禁用紙おむつは乳幼児用紙おむつの寸法を単に大きくしただけのものも多く、大人にとって快適さに欠け、使いにくいものも多い。また、尿量の多い大人にとって吸水・保水性の観点からみて最適な素材・構造設計になっているとは言えず、使用者の利便性と快適性を加味した設計を行う必要がある。本年度の研究において、研究代表者の矢井田は、大人失禁用紙おむつの素材・構造について、製造メーカーに対するアンケート調査を行い、着用快適性や吸水性を高めるために各社とも高吸収性ポリマーの形態や配置、積層構造に工夫を凝らし、市販大人失禁用紙おむつの構造を7つのタイプに分類できること、官能検査により布の冷え感を評価できることを示した。また、紙おむつ用のスパンレース不織布を繊維の種類、繊維長、繊維の太さ、混綿率、水流ジェットノズルの径とピッチ、搬送ベルトのメッシュサイズを変化させて試作し、これらの製造条件がスパンレース不織布の細孔構造や表面状態、力学的特性、吸水特性に大きく影響することを明らかにした。研究分担者の伊藤は、市販大人用紙おむつのパンツタイプとおむつタイプから数点を選び、その吸水性と保水性を比較調査し、おむつタイプの方がパンツタイプよりも吸水速度が大きい、価格帯により吸水性能に差がある、吸水性能と内層構造との間には相関があることを見いだした。研究分担者の與倉は、市販の大人用・乳幼児用紙おむつ49種類について、含水による熱水分移動特性、圧縮特性、表面特性の変化を定量的に捉えた。乾燥状態と含水状態において、肌触りの良否の官能評価値と素材物性との関係を検討し、乾燥状態と含水状態ともに肌触りの良い紙おむつの特性値の範囲を示すデータチャートを提案した。また、紙おむつ30種類を選び、脚部のギャザー部の肌触りの良否の官能検査を行い、肌触りの良否の評価値とギャザー部素材の力学特性、表面特牲との関係を捉えた。
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