研究課題/領域番号 |
10480023
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
江澤 郁子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10060641)
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研究分担者 |
塚原 典子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (00257073)
佐藤 和人 日本女子大学, 家政学部, 教授 (40187175)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 小動物 / ラット / 骨塩量 / 骨密度 / DXA / DCS-600R / MILK |
研究概要 |
本研究では、小動物の低骨量測定を可能にしたDCS-600R型を用いて低骨量の幼若期ラットの生体における骨量測定を実施し、DCS-600Rの生体測定における有用性を検討した。さらに、離乳直後の幼若期ラットの骨代謝に対するカルシウム源の検討を行った。 本実験では、離乳直後のSD系雌雄ラット(各29匹)を使用した。雄(♂)雌(♀)いずれも、それぞれ2群に分け、カルシウム(Ca)0.3%を含み、炭酸カルシウム(CaCO_3)のみをCa源とするCaCO_3食群(♂CONT群、♀CONT群)、あるいはskim milkのみをCa源とするSkim milk食群(♂MILK群、♀MILK群)で4週間飼育した。飼育期間中の骨量変化を検討するために、試験食開始前、試験食摂取開始後2週目、4週目にAloka社製DCS-600Rを用いて生体における脛骨・腰椎の骨塩量および骨密度測定を実施した。また、摘出骨による検討も実施し、試験食開始前および開始後2週目、4週目に解剖を行い、摘出した脛骨および腰椎の骨量測定も実施した。 その結果、生体による検討および摘出骨による検討のいずれにおいても、全ての群において成長に伴う著しい骨量増加が観察された。また、極めて低骨量の離乳直後においても、生体骨・摘出骨ともに精度良く測定可能であった。さらに、♀・♂ともに、試験食開始2週目、4週目のいずれにおいても、MILK群はCONT群に比し、腰椎および脛骨骨密度が有意な高値を示した。 以上のことから、Aloka社製DCS-600Rは極めて低骨量の小動物の骨量を生体レベルにおいても正確に測定することが可能であり、骨粗鬆症の予防に関する研究において、極めて有効な骨量測定機であることが示された。また、MILKは骨代謝に有効なCaであるが、骨の成長の著しい幼若期においても、極めて有効なCa源であることが示唆された。
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