研究課題/領域番号 |
10480025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小村 和久 金沢大学, 理学部, 教授 (00110601)
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研究分担者 |
今村 峯雄 金沢大学, 理学部, 教授 (10011701)
井上 睦夫 金沢大学, 理学部, 助手 (60283090)
山本 政儀 金沢大学, 理学部, 助教授 (10121295)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 年代測定 / ウラン系列 / 獣骨 / γ線計測 / 非破壊測定 / 縄文 |
研究概要 |
縄文期の貝塚で大量の獣骨が発掘されているそれらの年代を求める簡便な方法として非破壊γ線計測によるウラン系列核種の非平衡年代測定(230Th/234U法の変法としての226Ra/238U法の摘要の可能性を検討した。測定には水深換算270mの地下空間に設置した地上測定より2桁高感度の極低バックグラウンド井戸型Ge検出器を使用した。獣骨の放射性核種取込みパターンは埋没環境で異なること、すなわち、鳥浜貝塚のように海水の関与が大きい遺跡では、ウランよりもラジウム濃度が高いこと、北海道戸井遺跡及び千葉県殿台遺跡では、ウランのみの初期取り込みを仮定して年代算出が可能なことを見い出した。鳥浜貝塚試料は半減期の短い228Raが存在することから、発掘時も埋没環境とラジウムの交換が存在することを示唆しているが、トリウム同位体の取込みはほとんどないことをアルファ線測定により確認した。非破壊年代あるいはアルファ線計測による年代は考古学から推定された年代より約1000年古くなるが、その原因は初期の取り込みによる可能性が高い。化石骨の非破壊γ線測定を単独の方法として確率することは出来なかったが、他法を適用する前の迅速な予備測定としての有効性を確認した。 非破壊測定によるウランおよびトリウム系列核種の非平衡は埋没環境についての情報を得る有力な手段として適用するのが最も有効と考える。なお、表面電離型質量分析計による234U/238Uウラン同位体比の測定は実試料には適用できなかったが、今後に繋がる基礎データを得た。
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