研究分担者 |
西阪 仰 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80208173)
上野 直樹 国立教育研究所, 教育指導研究部, 室長 (40124177)
松本 健義 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90199878)
北澤 憲昭 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (60296217)
茂呂 雄二 筑波大学, 心理学系, 助教授 (50157939)
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研究概要 |
平成12年度は,つくること表すことによる「生きる力」としての子供の「行為=学び」の内容構造の理論的解明と,設計単位事例の相互行為分析による実証的解明とについて,以下のAからCの研究分担と研究計画に基づき調査並びに研究協議を行い,3年間の本研究のまとめを行った。 A.学際的研究により、子供の「生」と「知」の生成過程と,つくり表す「行為=学び」の内容構造及び,その範囲と連鎖、構造の相互関係を明らかにする。 B.子供のつくり表す「行為=学び」の形成過程における単元内事例と単元間連鎖の相互関係性について,相互行為分析を行い、カリキュラムの体系化のための論理と方法を抽出する。 C.国語科・数学科・音楽科・図画工作科・総合的な学習の時間における子供のつくり表す「行為=学び」の事例設計と実践調査(研究協力校)を行い、カリキュラム設計の理論と方法を構築する。 研究協力校である品川区立大原小学校(国語科,生活科,総合的な学習の時間),長野県高山村立高山小学校(図画工作科)の他,長野市立栄小学校(図画工作科),長野県坂井村立坂井小学校(理科),新潟県長岡市立表町小学校(図画工作科),同四郎丸小学校(生活科),津南町立外丸小学校(生活科,総合的な学習の時間),十日町市立十日町中学校(美術科)において,調査校教諭並びに上越教育大学現職派遣大学院生,同修了生の協力の下,設計事例の実践調査と相互行為分析を行った。これにより,(a)個々の子どもが身体性を働かせて,対象に対していまここで行う行為により,自らの<感じ方-考え方-行い方>を互いに組替え,新たな<私>,新たな自他関係(社会),新たな<私>と<他者>との世界の意味生成をする過程が,「生きる力」を育む学びの過程と学びの成り立ちのためのカリキュラム体系の基本理論であることを確認した。(b)こうした学びの過程と成り立ちは,教科間に通底し,かつ,教科等の相互関連・相互作用として学びであること。(c)子供の学びの過程と学びの成り立ちを「学び合い・生き合い」として常に総合的にとらえ,一体となった子供の学びの実践の場をつくり支えることが,子供の学びに基づく教育の新たな体系化において必要であると結論づけた。
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