研究課題/領域番号 |
10480050
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
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研究分担者 |
宮埜 壽夫 千葉大学, 文学部, 教授 (90200196)
渚 勝 千葉大学, 理学部, 教授 (50189172)
中村 吉邑 千葉大学, 理学部, 教授 (90110270)
橋本 明浩 千葉大学, 総合情報処理センター, 講師
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キーワード | 人工衛星風速データ / 状態空間モデル / moving block bootstrap法 / ARモデル / ブートストラップ検定 / 2種類の曲線の差の検定 / 面積差統計量 / 検出力のシミュレーション |
研究概要 |
人工衛星と地上のレーダーによって測定された、高度80〜90km(1km刻み)における風速の、14日分のデータについて、これら2種類の計測方法の間に、統計的な有意差が存在するか否かを、データ間の従属性を考慮に入れて検定を行った。まず、観測日の効果や2次の階差情報の有無により、何種類かの状態空間モデルを想定し、これらに対してカルマンフィルターを適用し、人工衛星およびレーダーの観測値に対応する2本の平滑化曲線を計算した(これを初期標本と考える)。次に各14日分の2種類の計測値に対応する14本×2種類の折れ線のそれぞれについて、Moving Block Bootstrap法等を適用し、折れ線ブートストラップ標本を構成した。そして得られた2種類のブートストラップ標本(各14日分)のそれぞれについて、カルマンフィルターを適用して平滑化曲線を求めた。このようにして得られた2種類の平滑化曲線にARモデルを当てはめた。以上の手順を十分多数回繰り返し、上記の各種検定統計量のブートストラップ分布を求めた。ここで、Moving Blockを並べ変えたり、2組の標本を混合する方法等も併せて検討した。その結果、いずれの方法においても、上記2種類の計測方法の間には、統計的に有意な差が存在することが確かめられた。 ところで、一般的に2組の(非定常な)時系列データが与えられたとき、それらの間に統計的な有意差があるか否かを検定する方法には、上記のような様々な検定が考えられる。そこでどのような検定が良いのかを検討するため、いくつかの方法について、その検出力をシミュレーションによって、比較・検討した。その結果小標本の場合には、2曲線間の面積の差を検定統計量とするMoving Block Bootstrap法が、検出力の意味で優れた検定であることが判明した。
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