研究課題/領域番号 |
10480050
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統計科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
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研究分担者 |
今野 良彦 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (00205577)
種村 秀紀 千葉大学, 理学部, 助教授 (40217162)
中神 潤一 千葉大学, 理学部, 教授 (30092076)
橋本 明浩 千葉大学, 総合情報処理センター, 講師 (60164779)
宮埜 壽夫 千葉大学, 文学部, 教授 (90200196)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 人工衛星風速データ / 曲線の差の検定 / bootstrap検定 / moving block / ARモデル / 面積差統計量 / 検定のサイズ・検出力 / シミュレーション |
研究概要 |
人工衛星と地上レーダーによって測定された、高度80〜90km(1km刻み)における風速の14日分のデータについて、これら2種類の計測方法間に、統計的な有意差が存在するか否かを、データ間の従属性を考慮に入れて検定を行う問題について、次のような手順で解析を行った。(1)種々の予備解析結果をふまえ、3種類の状態空間モデルを構築した。(2)カルマンフィルターを適用して平滑化曲線を求め、初期標本を構成した。(3)番号順に並べ替えるmoving block法により、bootstrap標本を構成した。(4)カルマンフィルターを適用した後、標本の混合により帰無仮説の下でのbootstrap標本を求めた。(5)2本の平滑化曲線間の面積を表す統計量(AUC-統計量)の値を計算し、そのbootstrap分布を求め、検定を行った。以上の結果、風速に影響を与える要因としては、観測高度と観測日が考えられた。また人工衛星による測定値は、風速を過大評価することも判明した。さらに、高度90〜100km付近の弱風層の存在を考慮すると、本研究で得られた推定曲線は妥当なものと考えられた。次に上記の問題を、2組の非定常時系列データ(2本の曲線)の間に統計的な有意差があるか否かを検定する問題として一般化し、8種類のの検定方法を提案し、これまでに提案されていた方法との比較・検討を行った。具体的には、風速データをふまえたシミュレーションを行い、検定のサイズや検出力についての比較・検討を行った。検定統計量としては、主としてAUC-統計量について検討を行ったが、2曲線間の差の2乗和や絶対値の差等の統計量についても検討対象とした。またデータの尺度調整等についての検討も行った。さらに様々な状況を想定し、詳しい数値実験により、各検定方法の有意水準と検出力を計算した。その結果、本研究で提案したACU統計量を用いたbootstrap検定は、多くの場合従来提案されていた方法よりも有意水準、検出力の観点で優れていることが判明した。
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