研究課題/領域番号 |
10480056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
前川 守 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (10126162)
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研究分担者 |
河田 恭郎 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手
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キーワード | Eunice97 / オブジェクト指向 / 並行プログラム / 継承異常 / ソフトウェア開発 / CASEツール / 電求仕様抽出 |
研究概要 |
Eunice97の言語設計において、並行オブジェクト指向プログラミング言語で問題となる継承異常に対する検討を行ない、対処方法を提案した。オブジェクトの受理可能状態の履歴依存性に起因する継承異常には、(1)オブジェクトの現在の状態ではなく活動の履歴情報を利用して並行的制約を記述し、(2)すべての並行的振舞いの記述をクラスから分離する事が有効である、との知見を得た。また、クラスの振舞いを表現した状態遷移図を複数統合する方法について議論した。多重継承を表すこの機構を用いて、複数の親クラスから子クラスの振舞いを構成する手順を表現するための言語構造を提案した。さらに、ガード付メソッドが継承異常を解決できないのは、1つのクラス内に複数種類の振舞いが混在している場合であるが、このような場合には、(1)互いに関連する振舞いは1つのクラスとしてパッケージ化する、(2)新規クラスを生成する際には、必要な振舞いを持つクラスを継承して合成する、という対処方法が有効であり、これらに基づいた新しい言語構造を提案した。これらの方法により、より高い抽象度とコーディングのしやすさが得られる。 Eunice97での開発支援環境フレームワークとしては、(1)ソフトウェア開発の分析段階において、異なる複数視点を統合の際に必要となるモデル化の機構、(2)複数の開発支援ツール間で、柔軟なデータ共有と連係動作を実現するための方法とそれを利用した拡張、などの提案を行なった。 Eunice97言語処理系のCASEツールとしては、GNU Emace上の構造エディタをはじめとして、ビジュアルエディタ、プログラムの実行を視覚的に表示するツール、要求の構造化を支援する要求抽出ツール、などのプロトタイプシステムを実装して検討した。
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