研究概要 |
本年は,ネットワークスーパーコンピュータ環境としての分散システム「Comupter Colony」を構成するためのオペレーティングシステムColoniaおよび通信ハードウェアの開発を行った.Coloniaでは分散共有メモリシステムに適した並列アクティビティとしてミッション・ユニットモデルを採用する.実際に稼働するColoniaの,デバイスドライバなど低レベルな部分を開発するとともに,カーネル開発のためのハードウェアエミュレーション環境を構築し,その上でColoniaカーネルの開発に着手した.特に,本年はColonyを形成するそれぞれの計算機のリアルタイム応答性を損なわずに資源の有効利用を図る,チケットベースのスケジューリングアルゴリズムの研究を行った. ハードウェア面では,共有メモリによる通信をベースとした並列処理を行うために,キャッシュコヒーレントな共有メモリを実現する通信ハードウェアの設計を行った.高集積高速FPGAを用いてプロセッサバスに接続しFibreChannelを用いた高速ネットワークとのインタフェースを行う.また,超並列計算機JUMP-1プロジェクトで開発した,メモリ管理専用プロセッサを通信ボードとみたて,この通信ボード上で共有メモリ環境をプロセッサに提供するための共有メモリ管理プログラムの開発を行った.また,この開発のために当該プロセッサをターゲットとしてGNUCコンパイラの移植を行った.
|