研究概要 |
コミュニケーションインタフェースシステムの構築に先立ち,コンピュータユーザモデルのファジィ化及びファジィ推論システムの整備を行なった。このことに関して,7月末にジェルマノ・レスコー二教授(伊国・ブレシャカトリック大学)を招き,レビューを受けるとともにファジィ推論システムに関する討論を行なった。コミュニケーションインタフェースのうち,特にファジィ推論エンジンに関する成果をまとめ,9月上旬, 「知的技術とソフトコンピューティングに関する欧州会議」において研究成果を公表した(独国・アーヘン)。 一方8月中旬よりシステムの開発を開始した。アイマークレコーダからの出力信号から注視点座標データを分離するためのインタフェース回路を設計・製作し,またコンピュータへの実時間入力ドライバを構成した。3次元位置計測システムに関しては,既存のMS-DOS用のドライバをWINDOWSに移植し,アイマークレコーダからのデータと合わせてコンピュータユーザの視線方向の計測を可能とした。「視線を用いたノンバーバルコミュニケーションインタフェース」の概要を,9月下旬に「計測自動制御学会北海道支部シンポジウム」において公表した。 10月より,視線によるインタフェースに,ファジィ推論を用いたユーザの意図の識別機能の適用を試みた。派生的な研究成果として、 「デジタル動画像におけるトランジションの効果」「ファジィ推論による感情データの分析」 「オンライン文書表示システムの操作性」等について知見を得ることができ,これらを公表した。 3月に,今回のシステム設計とハードウェア化に関して独国・ミュンヘンで,またコミュニケーションインタフェースにおけるグラフィックス表示方式に関して仏国・パリで,それぞれインタラクティブセッションにおいて公表・討論を行なうとともに,伊国・ミラノにおいてファジィ推論システムに関して,今回の研究成果を公表した。
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