研究課題/領域番号 |
10480080
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 光璋 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40004618)
|
研究分担者 |
根元 義章 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60005527)
白鳥 則郎 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60111316)
伊藤 貴康 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80124551)
中尾 光之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20172265)
井上 昌次郎 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70013860)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | 1 / fゆらぎ / 計算機ネットワーク / 神経回路網 / 脳 / 広域情報システム / 階層性 / 制御原理 / 生体システム |
研究概要 |
本研究では、"生体"、や"脳"における情報システムの実験・研究を行い、その結果に基づいて人間と情報システムの共生法を探ることを目的としている。 "脳"における情報坦体(ネットワーク的にはパケット)とみなすことができる神経スパイクを出力するニューロンモデルを相互に結合したネットワークを用いてシミュレーションを行った。ニューロン活動に現れたスパイク系列のクラスター化現象は計算機ネットワーク中のパケット流と類似の現象である。また、ニューロン間の結合強度を強めることで、ニューロン活動のクラスター化が強化された。このことは、計算機ネットワークにおいてノード間結合を強めると高稼働率ノードが局在するようになることを示している。 また、精緻に制御された生体システムの一つである心臓血管系をとりあげ、心拍や血圧などの1/fゆらぎを担う制御原理についてモデル論的に考察した。それによれば、原理は、動作点からのずれを許容しないような厳格なものではなく、ある範囲内で変数の変動を自由にするような緩やかなものであることが明らかになった。同時に大域的な活性化レベルをスイッチングするような制御機構の存在が必須であることが示され、階層的な制御構造が本質的であることが明らかになった。 実際の海馬神経回路網と非線形振動子とを結合し、結合モードを変えて現れるダイナミクスを解析した。その結果、本来的に多自由度である系が、制御の仕方によっては、低自由度の振舞いを呈したり、多自由度性が顕現したりすることが明らかになった。脳は、神経回路網が有するこのような多様なダイナミクスを制御によって引き出しながら情報処理を行っているものと考えられる。 これらの脳や生体システムにおける制御機構は、ネットワーク制御やインターネット上での情報アクセス制御などの基本概念としても有効であると考えられる。
|