研究課題/領域番号 |
10480089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 富山商船高等専門学校 |
研究代表者 |
山崎 祐介 富山商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (90132597)
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研究分担者 |
遠藤 真 富山商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (40149919)
村山 義夫 (財)海上労働科学研究所, 第一部主査
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キーワード | 船舶 / 海上交通 / 海難防止 / 未然事故 / 事故調査 / ヒューマンファクター / ヒューマンエラー / 監視作業 |
研究概要 |
1 未然事故と現実の事故との関係についての検討 報告される未然事故経験は、本人の主観的判断を含むので必ずしも事故の発生しやすさと結びつくとは限らず、その寄与の程度を知る必要があるといわれている。そこで先に調査した未然事故の内容と同様のデー夕を海難審判庁採決録から作成し、報告された未然事故経験と事故との対応について検討した結果、未然事故と裁決録の発生頻度において、互いに独立であるといはいえない統計的結果が得られ、未然事故調査は採決に至る海難の発生頻度と類似した状況を反映しいることが分かった。更に、未然事故の要因を分析して結果を事故予防対策に反映させ、さらに事故調査法を改善する、といった作業を繰り返す連続的過程が効果的であろうことが分かった。 2 既存の海難デー夕の解析とインシデント調査項目の検討 現行の海難調査制度における資料では発生状況と原因の法的解釈根拠が明らかにされているが、その状況となる原因、すなわち何故そのような状況に陥ったかは分からない。人間行動は複雑な行動形成因子の相互関係から生み出されており、その関わりを探り対策を立てることが失敗を防止する上で重要である。そのような観点から海難審判庁海難のデータベースを解析し、そこで不足していると考えられる、調査項目を検討し来年度の研究計画に向けてインシデント調査項目を策定した。それらの骨格は、組織(会社、船内)、個人特性(個人技能、個人性向、海域別作業特性)、環境条件(航行船舶条件、自然環境条件)、船舶条件(船舶属性、操縦性、航海計器、操縦設備)、個人状況(エラー段階、身体状態、精神状態)等である。
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