研究分担者 |
清水 正喜 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00115859)
矢島 啓 鳥取大学, 工学部, 助手 (10283970)
檜谷 治 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00165127)
白木 渡 香川大学, 工学部, 教授 (30032288)
宮本 邦明 地域共同研究センター, 助教授 (00263492)
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研究概要 |
わが国では、現在2000を越えるダムが存在しており、これからの貯水池周辺で地震あるいは豪雨によって大きな崩壊が生じる確率は無視できず,その崩壊土が貯水池内に流入する可能性がある.この崩壊土が貯水池内に流入すると,場合によってはイタリアのバイオントダムのように巨大な波が発生し,大災害を引き起こしかねない.このような災害は,大崩壊の発生確率とともに,貯水池数に依存しており,わが国での発生確率は年々高くなっていると考えられる. そこで本研究は,発生した大崩壊が貯水池内等に流入することによって生じる段波について研究することを目的としており,本年度は,昨年に引き続き貯水池内での段波の発生に関する事例の収集を行い,実際発生した段波の状況について調査した.また.模型実験および実例を再現できる数値シミュレーションの構築を実施した.この数値シミュレーション法は,崩壊土塊の挙動のシミュレーション法と波の形成過程のシミュレーション法を合体する必要があるが,本年度は各シミュレーションモデルの妥当性を評価するまでに留まっており,両者のカップリングは来年度の課題として残った.一方,発生する波の大きさに関連する崩壊規模および崩壊速度に関しては,収集された資料に基づいて,わが国における崩壊規模および崩壊速度の発生確率を地山の地質あるいは崩壊の要因を考慮にいれて検討するとともに,200年前長崎県の島原で発生した眉山の大崩壊の資料を集め,その中の災害について検討した.
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