研究課題/領域番号 |
10480115
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
勝村 庸介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111466)
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研究分担者 |
柴田 裕実 東京大学, 原子力総合センター, 助教授 (30216014)
渡部 貴宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90282582)
上坂 充 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30232739)
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キーワード | 地層処分 / 地下水 / 放射線分解 / 炭酸水溶液 / 炭酸ラジカル / pKa値ギ酸 / パルスラジオリシスシュウ酸 / イオンクロマト分析過酸化水素 |
研究概要 |
地下水の共通主要溶解成分は炭酸イオン(HCO_3-,CO_3^2-)で濃度としては50mM程度である。地層処分における放射線効果としては地下水の照射による分解であるが、どのような生成物が生成し、これらがどのような影響を与えるかについての研究はほとんど実施されていない。一つの問題は炭酸ラジカルのpKaの決定である。炭酸イオンは水の放射線分解から生ずるOHラジカルと反応し、炭酸ラジカル(HCO_3,CO_3-)が生ずる。このラジカルのpKaは7.6あるいは9.6と異なった値が報告されており、地下水のpHにより化学形態が決まることもあり、信頼できる値を測定する必要がある。パルスラジオリシス法を用いて炭酸ラジカルを生成し、これとSCN-あるいはFe(CN)_6^4-との反応のpH依存性を精度よく測定し、pKa9.6を決定した。二つ目の問題は、炭酸水溶液照射後の最終生成物の定量とその生成機構の解明である。これらは放射線効果の予測のための計算機シミュレーションコード開発には不可欠のデータとなる。生成物としてはギ酸、シュウ酸、H_2O_2の三種でその生成量は微量でμMオーダーある。これらをイオンクロマト法にて定量する場合、残存する炭酸イオンは生成物検出を妨害するため、生成物には影響を与えず、炭酸イオンを除去する手法の開発が重要である。もう一つの課題をこの定量手法を開発することとした。強イオン交換樹脂を含むカラム処理を使用することにより、炭酸成分をCO_2として除去する何度も使用できる再生可能な方法の開発に成功した。
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