研究課題/領域番号 |
10480119
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 捷平 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80027466)
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研究分担者 |
三頭 聡明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30005938)
木村 逸郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40027404)
山名 元 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (30283683)
森山 裕丈 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90127150)
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キーワード | 鉛スペクトロメータ / 共鳴中性子領域 / 背中合わせ型核分裂電離箱 / Am-243(n,f)反応断面積 / Am-242m(n,f)反応断面積 / 飛行時間分析法 / ENDF / B-VI / JENDL-3.2 |
研究概要 |
本年度は、京都大学原子炉実験所に付設される鉛スペクトロメータ(KULS:一辺が1.5mの立方体、総重量約40トン、鉛の純度=99.9%)を用いて、Am-243及びAm-242mの核種を中心に、これらの核分裂断面積を〜0.1eVからl0keVの領域のおいて測定した。また、Am-242mについては、5mの飛行路を持つ飛行時間分析法による測定も行った。Am-243とU-235、またはAm-242mとU-235それぞれの電着膜を背中合わせにセットして核分裂電離箱に封入し、これをKULSのビスマス実験孔または中性子飛行ビーム中に挿入した。鉛スペクトロメータ、飛行時間分析法の実験手法は従来とほぼ同様であり、入射中性子束はU-235(n,f)反応断面積を基準としてモニターし、それぞれの核分裂断面積を求めた。まず、Am-243試料は化学的に精製された高純度試料であっても、アルファ崩壊によってPu-239が不純物としてAm-243試料中に徐々に生成蓄積されてくる。Pu-239は0.3eVに巨大共鳴を持っており、これがAm-243(n,f)反応断面積の測定結果に大きく影響することが分かった。我々はこの効果を実験的に求めると共に、計算による予測式も導出した。本実験においては、Am-243試料を化学的に精製した後数ヶ月で実験を実施すると共に、この間に生成したPu-239の効果を正しく補正することができた。Am-243(n,f)反応断面積のENDF/B-VI及びJENDL-3.2の評価値を本実験結果と比較したところ、前者のデータは概して本実験値に近いが15〜60eV領域では明らかに低くなっている。JENDL-3.2データは本実験値に比べ100eV以上で全体に低目の傾向にあることが分かった。Am-242m試料は核分裂断面積がU-235の場合の10倍以上もあるため、少々の不純物なら本実験値を乱すことは殆んどない。実験手法はAm-243の場合と同様である。ENDF/B-VI、JENDL-3.2の評価データは全体に実験値をよく再現している。また、5m飛行路を持つ飛行時間分析実験では、数10eVから熱中性子領域におけるAm-242m(n,f)反応断面積を測定できたが、その結果は鉛スペクトロメータの測定結果とよい一致を示した。
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